ミナリ  ★★★☆☆

 

キャスト

 

スティーブン・ユァン

ハン・イェリ

ユン・ヨジョン

アラン・キム

ネイル・ケイト・チョー

ウィル・パットン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1980年代

農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブ(スティーブン・ユァン)は

アメリカはアーカンソー州の高原に

半ば強引に一家をこの地に連れてきた

 

今まで10年間、彼らはカリフォルニアやシアトルで暮らし

鶏の孵化場でひよこの雄雌の選別を仕事にし

それだけで一生を終えたくないと考えたジェイコブは

農業での成功を夢見て

アーカンソーの誰も欲しがらない土地を購入したのだった

 

 


荒れた土地とトレーラーハウスを見た妻のモニカ(ハン・イェリ)は不安を感じる

心臓の持病を抱えている7歳の息子デビッド(アラン・キム)の病院から1時間以上もかかり

不満が頂点に達したモニカと毎日のよう夫婦喧嘩になる
 

夫婦はモニカの母スンジャ(ユン・ヨジョン)を韓国から呼び寄せて

子供たちの世話をしてもらうことで

夫婦の平和を取り戻すことにした

 

ジェイコブの計画では3年間はヒヨコ鑑別と兼業して韓国野菜の栽培をし

いずれ農業一本にするということ

がしかし購入した土地は誰も買いたがらないいわくつきの土地だった

 

 

 

韓国からスンジャがやってきた

初めて会うデビッドは想像と全く違うことにがっかり

スンジャは料理は全くできず

唯一の特技は花札というおばあちゃんだった

 

 

 

 

地下水が涸れて土が乾いてしまい農作物がだめになってしまう

資金繰りに頭を抱えるモニカだったが

成功することよりも家族が一緒にいることが一番の幸せだと信じ

ここにとどまる

 

スンジャを疎ましく思っていたデビッドだったが

両親から禁止されている川のほとりに

2人で出かけてはスンジャが韓国から持ってきたミナリ(セリ)の種が

育っていく様子を見に行った

 

 

 

 

そんなある日

デビッドは自分の心臓の話をする両親の会話を立ち聞きし

不安から眠れなくなる

スンジャは優しくデビッド抱き寄せ

「絶対に死なせない」と励ます

 

 

 

 

 

ところがその翌朝、デビッドが目を覚ますと

一緒に寝ていたスンジャは失禁して

目がうつろのままぼんやりとしていた

すぐモニカが病院に連れていくと

スンジャは脳卒中を起こしていた

歩行がやや困難になり手に麻痺は残るが

大事には至らず退院することができた

 

翌日、デビッドの診察のため家族は街の病院へ

デビッドの心臓は奇跡的にも回復を見せていた

そしてジェイコブは韓国の食材を扱う店での商談をまとめて

ようやく希望が見えたと喜ぶ
ところがモニカは苦しい生活にすっかり疲弊し

我慢の限界に達していた

 


家に着くと、農作物が保管してある小屋が炎に包まれていた
ひとり留守番をしていたスンジャが

ごみを燃やしているときに誤って火事を起こしてしまったのだ

 

燃え盛る炎の中

ジェイコブは少しでも使える農作物を救い出そうと突入

そんなジェイコブのあとを追うようにモニカも続く
しかし農作物は全て灰と化し・・・

 

自責の念に駆られ呆然と遠くへ歩いていくスンジャを

アン(ネイル・ケイト・チョー)とでデビッドは追いかけて

「一緒に帰ろう」と慰めるのだった

 

 

 

家族は再起にむけて、いちから農場をやり直すために

地下水がわく場所を見つけることから始めた

そこにはこれまで夫の農業に賛成していなかったモニカの姿も・・・
 

そして、デビッドに誘われ

川のほとりに向かったジェイコブが見たのは

スンジャが植えた生い茂るミナリだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカデミー賞作品賞他6部門のノミネート

サンダンス映画祭でグランプリと

観客賞をダブル受賞

その後も各国の映画祭の観客賞を総なめ

 

そしてそしてユン・ヨジョンが助演女優賞!

韓国人初のオスカーです

 

 

 

 

 

この作品、韓国映画かと思いきやアメリカ映画なんですね

製作会社プランBの代表を務めるブラッド・ピットから

賞を授かりました

監督はリー・アイザック・チョン

 

内容は何も知らずに見始めたのですが

地味な映画なんですよね

アメリカ人の心を打ったのは「移民」だからじゃないかと

書かれている記事がありました

 

 

スティーブン・ユァンは海外ドラマ『ウォーキングデッド』のグレン役で

大ブレイクした韓国系アメリカ人俳優なんですね

映画『バーニング 劇場版』の助演男優としても評価されたそうです

 

 

 

 

「ミナリ」とは韓国語でセリ

丈夫に育ち薬にもでき二度目の旬がおいしいことから

子供世代の幸せのために親世代が懸命に生きるという意味が

こめられてるそうです

ミナリが根付き茂った様子は

家族がアメリカに根をはることを表しているんでしょうね

 

 

 

 

家事を起こし呆然と遠くへ歩いていくスンジャを

今まで「走ってはいけない」ときつく言われていたデビッドが

一生懸命走って追いかけていくところは涙がす~っと😭

 

クッキーも作れない、料理もできない

花札しかできないスンジャを疎ましく思っていたけど家族です

高齢でこんなアメリカの田舎まで

娘家族のためによく来る決心をしました

 

初めて会う孫

態度は風変りでも

孫には決して叱らず温かかったですね

 

 

 

 

モニカはキリスト教信者なのでしょうか

でも、ジェイコブは神を信じていないようでした

 

ポール、日曜日には十字架を運んだり

悪魔祓い的なこともやっていました

棒切れで水脈を探すのも宗教っぽいですが

ラストはジェイコブもそこから始めたようです

 

 

 

ジェイコブのように、一攫千金を夢見て

色々な国からアメリカに移住してきた人たちって

たくさんいるんでしょうね

アメリカンドリーム