2008年のLITTLEの誕生日、5月7日に発売されたアルバム“Yes”rhyme-dentityの最後を締めくくるこの曲。

トラックからも、最後だよ、このアルバムの集大成だよという雰囲気が感じられる。


曲名のa raison d'treというのは、フランス語の哲学用語で「存在理由」とか「存在意義」とかいう意味らしい。

それぞれのレゾンデートルがあって、まぁみんな違ってみんな良いみたいな感じで励まされるリリックとなっている。


個人的にこの曲はすごい好きで、Yesの中だったら1番好きなくらいなので、色々触れたい点があるのだが

まず1バース目は励ましというよりは、LITTLE自身について言ってるのだが

「当時は変わりもん扱い 今となっちゃ流行りもん扱い 人によっちゃまがいもん扱い まぁ、まぁ甘かない音楽界

LITTLEがラップを始めた頃って、一部のコアなファン以外は聴かない、市民権がないような状態だったし、そもそも海外のHIPHOPファンとかからも「日本人がラップするとはいけすかねぇ(Mummy-Dのラインを引用)」と、海外の真似事でしょといった感じで、変わりもん扱いされていた。

そこから日本語ラップの需要がどんどん拡大していって、一般的なJ-POPにもラップが使われるくらいになって「なんかラップ流行ってるよね」みたいな流行りもの扱いされることもあった。

一方で、J-POPとの境目が曖昧になるにつれ、「あれはHIPHOPじゃない」みたいな見方をされることも増えたし、実際ラッパー同士でもDISしたりすることもあった。LITTLEは、どちらかというとPOP寄りだったから、まがいもん扱いされたことも多かったのかもしれない。

という感じで、一見ここのラインは「もん扱い」の重複で韻が甘いと思いきや、色々な感情が含まれている深いライムだと感じる。


2バース目は、自分たちリスナーの背中を押してくれるような内容になっている。

その内容を

「まぁひとまずここは受け入れろ だって本音もんね 綺麗事でも言いてぇこと言っていてぇのよ」と。

俺のようなファンからしたら、LITTLEがいうなら受け入れます!となります。笑

いやー、いいですね。


最後のバースは短いけれど、

「これからをより良くしていこう 過去も未来も独自製法」のラインもいいし、

「そんな偉そうなもんでもねぇよ でもそんな捨てたもんでもねぇよ」のライン、Hook以外できちんと踏んでないのはここくらいなので、韻は一旦抜きにしてでも伝えたい内容だったのかな、と思う。


最後に、個人的なことを2点ほど。

・1バースで、LITTLEの過去のアルバム名から取って「これでいいのだ、俺のコンパクトなライフは音楽オアダイ」という部分があるのだが、当時俺のメールアドレスをcompact-life〜にしていたので、嬉しくなりましたw

・2バース目で、「誰かと比べてまた自己嫌悪 自分じゃなきゃ誰が認めんの」という部分があるのだが、昔自分で既に自己嫌悪と認めんので踏んだリリックを書いてたので、LITTLEと同じ発想できてる!と嬉しかったw


ということで、紹介した部分はガッツリ韻を踏んでいるところじゃないけど、曲を通してめちゃめちゃ踏んでいるので、是非聴いてみてほしい一曲です。

星★★★★★