佐藤春夫氏の「化物屋敷」 | 星導夜

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何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います


佐藤春夫氏の「化物屋敷」という短編小説は

平凡社ライブラリーという文庫本
「佐藤春夫怪異小品集 たそがれの人間」に収録されています。

当時、佐藤春夫氏は自身の結婚生活にピリオドを打っていました。弟夫婦の家に厄介になるも、弟夫婦もこれまた離婚してしまいました。

弟夫婦が家を畳んだので仕方なく佐藤春夫氏は石垣氏のつてで、渋谷区道玄坂にある3階建ての下宿屋に引っ越ししました。この石垣氏というのは
「一千一秒物語」などで有名な作家の稲垣足穂(イナガキ タルホ)氏のことです。

この下宿屋ではおばけが出て来るという訳では無いのですが、
例えば猫🐱の頭蓋骨を人間の頭蓋骨だと主張する人が出てきたり、住む人の精神状態を狂わすような怪異が発生します。

佐藤春夫氏が居た当時の下宿屋は、もちろん今は無くなっています。

しかし私はこれから先渋谷区の道玄坂に行くたびにこの化物屋敷のことを思い浮かべるのでしょうね。