横溝正史の「夜歩く」 | 星導夜

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何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います


夜歩く、というタイトルは

夢遊病のことを指しています。


簡単なあらすじになります。
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 売れない探偵小説作家の「私」こと屋代寅太(やしろ  とらた)は友達の仙石直記(せんごく なおき)の頼みで東京都下は小金井にある直記の家に行きます。せむしというのは差別用語なのでくる病と言った方が良いのでしょう。
くる病の画家である蜂谷(はちや)を狙撃したのは義妹の八千代(やちよ)ではないかという相談を受けたからでした。
 義妹の八千代は夢遊病を患っていて、そのことは家族しか知らないはずだったのですね。

なのに、「汝夜歩くなかれ」と夢遊病を警告するような手紙が届くんです。しかも首から下を切り取られた、悪趣味な写真までが送られて来ていました。
 直記の家に着くなり「私」は家族の異常さを知ることとなります。

父、鉄之進は酒乱で酒が入ると、刀の村正を振り回すことがあったのです。

そこで「私」と直記は、村正を金庫にしまうことにしました。「私」はパスワード、直記は鍵をそれぞれ保管して、二人が揃わないと金庫が開かないようにしたのでした。

でもそんな厳重な管理を嘲笑うかのように、村正は何者かに盗み出され、蜂谷は殺されてしまうのです。しかも死体には首がありませんでした。

この小説、ネタバレしてしまうと。

アガサ・クリスティーの

「アクロイド殺人事件」と同じケースなんですね。

つまりは叙述トリックが使われていて真犯人は
書き手の「私」こと屋代寅太でした。

「私」にとって直記は恋人のお静が発狂する原因を作った憎むべき相手でした。

友達でもなんでもなかったのです。

直記はオレ様的な性格で、常に「私」に対してマウントをとって来る嫌な人間だったのです。

怒りと憎しみをこらえて

復讐が成功するまで

あと一歩のところで

金田一耕助登場

だったのでした。

横溝正史ワールドに特有の

旧家の呪われたどす黒い凄惨な

物語でした。

また、人間って公衆の面前で

罵倒されたり侮辱され続けると

復讐の鬼と化して

首を切り取り

死体損壊が平気でできるのかと

恐ろしくなりました。


お亡くなりになった古谷一行さんの金田一耕助シリーズ探したらありました。

長いですが宜しければYou Tube

ご覧くださいね。

ただし、テレビ📺ドラマ化されたものは

原作とかなり違っていますので

横溝正史ワールドを味わいたい方は

小説お読みになることをおすすめします。