ワシはフロイト博士じゃ。
今回はサスペンス映画の
レベッカについてお話ししますわい。
ヒッチコック監督は
心理描写にすぐれた映画監督でな。
心理の話にもってこいですわい。
みらあじゅ殿の好きな
ダリオ・アルジェント監督は
犯人目線でカメラワークですな。
アルジェント監督作品についてはいずれお話しますわい。


イギリス人の女流作家ダフネ・デュ・モーリアの同名小説を
ヒッチコック監督が、新しい解釈で描いた心理サスペンス映画が
このレベッカですな。
ヒロインは庶民の娘じゃが
貴族でイケメンのマキシムと出会い、恋に落ちてしまうんじゃ。
短い時間のうちにヒロインとマキシムの距離は縮まり、別れを告げに行ったヒロインにマキシムがプロポーズをして結婚するんじゃな。
そしてマキシムの屋敷、マンダレーへと向かうんじゃ。前半はおとぎ話のような展開で、めでたしめでたしなんじゃが、
じゃがな。ここからが悪夢の始まりだったわい。
マンダレー屋敷には、マキシムの死んだ前妻レベッカの名残がいたるところに感じられるのじゃ。
死後もレベッカの使っていた部屋はそのまま残されておるし、屋敷のあらゆるものに刺繍されているレベッカの名前、そしてレベッカを崇拝する使用人。
さよう、タイトルになっているレベッカとは
前妻の名前そのもので、インパクトがとても大きいですぞ。
また、レベッカを崇拝する家政婦頭のダンバース夫人の静かなる狂気には、全くぞくぞく背筋が凍りますわい。
ラストではヒロインとマキシムの幸せが許せなかったダンバース夫人が屋敷に火をつけ、自身もその中で焼死するんですな。
レベッカという前妻は、本当に怖い女性ですわい。
レベッカは完璧な妻を演じる一方で、奔放な生活を送っていたのですわい。
妊娠したと嘘をつくんじゃが、真相はもう死を待つしかない不治の病、癌だったんじゃ。
マキシムに自分を殺すように心理的に誘導するような怖さがありますわい。
屋敷に火を放ち焼死するダンバース夫人は
レベッカの表と裏の顔を認めたくなかったんでしょうな。