探偵の夏あるいは悪魔の子守唄 読了 | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

岩崎正吾氏のミステリー小説

探偵の夏あるいは悪魔の子守唄

を読んだ。

岩崎正吾氏は

山梨県在住のミステリー作家で

これは氏の処女作であり

探偵の四季シリーズの第1作目にあたっている。

横溝正史の金田一耕助のパロディーであり

横溝正史ファンならば思わず

ニヤリとしそうだ。
パロディーというよりも

横溝正史へのオマージュを私は至るところに感じた。


舞台となるのは某県の最北端にある人口二千人ほどの八鹿村(人呼んで八馬鹿村)だ。
やつばか村→八つ墓村というシャレか。  

本の冒頭には村の見取り図が掲げられ、鬼首峠、梅屋敷に竹屋敷、鶴の湯などが配置されている。中央には本陣川が流れ、鬼火橋がかかっている。寺の名前は獄門寺。あらゆる所に横溝正史作品でお馴染みの名前が見られる。

横溝正史ファンの人は

金田一耕助シリーズの中に登場する名前をチェックするのもまた楽しめそうだ。

 村の二大勢力の一つ梅屋敷の当主・小梅佐兵衛が命を狙われている疑いから、東京の探偵社に調査の依頼がある。

小梅佐兵衛はこの村の村長。キンダイチという若い探偵が探偵事務所から派遣されて来る。

まもなくこの村に古くから伝わる「八鹿村子守歌」になぞらえた連続殺人事件が起きる。

刑事の名前が歴代の金田一耕助役の俳優名だったり、本陣川や獄門寺などなど横溝正史を読んだことがあればかなり楽しめる。

単なるパロディーではなくてオマージュと言ったのは

回収トリックの解明や伏線の張り方が 
お見事👍👍👍

だからだ。

最後にネタバレ1つ(笑)

ラストの文を引用させていただこう。

『セイシの次はセイゴだよ』

ナイス。

横溝正史の次は

岩崎正吾にはニヤリとする。