
天狗様のうちわ
みらあじゅ作・画
蒸し暑くて
蒸し暑くて
寝苦しいある夜
わたしはたまらずにエアコンを入れていた。
本当は余りエアコンの風🍃は好きではないのだか
背に腹は変えられないといった気持ちだった。
しばらくすると
「これこれ、もったいないのう」という
声がした。
ふと窓の方に目をやると
赤ら顔の天狗様👺が呆れたように立っていた。
「全く最近の人間はひ弱でいかんのう。
自然の風🍃がいちばんじゃというのに。
ほれ、これを使わんかい。」
👺天狗様は
自分の持っていた大きなうちわを
ポンと放って寄越した。
あおいでみると
あら不思議。
ジメジメした空気がさあっと逃げて
高原の牧場の
清々しい空気が代わりに
流れこんで来た。
うちわでパタパタあおぐ生活も
たまには悪くないかな。
ふとそんな考えが頭をよぎった。
ジメジメした空気の向こうに
ペパーミントブルーの風🍃をみた夜🌃。