江戸川乱歩の「一寸法師」における心理的考察 | 星導夜

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何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

ワシはフロイト博士じゃ。


みらあじゅ殿は


江戸川乱歩の「一寸法師」という推理小説に於いて


犯人の殺人鬼一寸法師の犯行動機が

醜形恐怖症からくるものと思ってますな。


醜形恐怖症(しゅうけいきょうふしょう)とは
他人から客観的にみてそれほどの欠点ではないのに、本人自身が「自分は醜い」
身体のある部分の形が「人より劣っている」「変形している」などという観念にとらわれて苦しむこころの病気のことを言うんですな。
「醜い」などという強迫観念によって、日常的に社会的生活に支障をきたす場合に精神疾患としての治療が必要になりますんじゃな。

この文庫に一寸法師も収められていますな。

簡単にあらすじ説明しておきましょうかな。

ある夜、小林紋三という青年が、一寸法師のような背の低い男を見かけるところから話が始まるんですな。

何気なく後を追ってみると、その男は持っていた風呂敷包みから人間の腕を落としていくんですな。

紋三は不審に思い男を追跡していると、養源寺という寺に入っていきましたな。

翌日、紋三は養源寺の住職を訪ねて昨晩の男の話をするも、心当たりはないということでけんもほろろに追い返されてしまいますな。

寺からの帰り道で、紋三は山野百合枝という友人に会うんですな。

実業家の山野大五郎の妻である百合枝には、血のつながらない娘の三千子がいるのじゃが
その三千子が行方不明になったということを話すのじゃな。

紋三は名探偵の明智小五郎の友達なんじゃ。

百合枝夫人から依頼を受けた明智探偵は山野邸へ駆けつけますな。

捜査を進めていくと、ピアノの中から三千子のものと思われる髪の毛とヘアピンを見つけたんじゃ。

明智探偵は三千子が一旦ピアノの中に隠されて、ゴミの回収とともに外に連れ出されたのではないかと考えますな。

そのころ、あるデパート呉服売り場でマネキンが本物の人間の死体だとか、夜のデパートに一寸法師が出没して大騒ぎになるんじゃ。

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ネタバレになってしまいますな。

真犯人の一寸法師の正体は

最初に紋三が、けんもほろろに追い返された
養源寺の住職じゃ。
この殺人鬼の住職、普段は義足をつけていて、一寸法師の足の短い体型を隠していたんじゃな。

一寸法師に戻ると、手下に放火させたり
殺人に手を染めたり、やりたい放題の極悪人でしたな。

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みらあじゅ殿は
醜形恐怖症と思い込んでいるのは間違いで

これはむしろ

反社会性パーソナリティ障害ですな。



身体醜形障害の場合は、「ひがみ」は自らに向くんですな。身体を隠したり、引きこもりになったりするんですぞ。

露骨に社会に「敵意」を向けることはあまりないんですな。。

一寸法師のその体型に対する差別や偏見が、一寸法師の性格の反社会的な面を作り上げてしまったとワシは思いますな。

考えてくださらんかな。

「醜形」は、みずからの反社会性を説明する「言い訳」にしか聞こえないんですな。  
だってほれ。

醜いからと言っても必ずしも

殺人や放火、死体遺棄や脅迫などの犯罪に走るとは

限りませんな。

さて夕方ですし
今日の講義はおしまいですじゃ。

みらあじゅ殿

今日の晩ごはんはなんですかな?