
女流ホラー小説家
加門七海さんの作品に
目嚢(めぶくろ)というものがあります。
耳袋(みみぶくろ)という作品ならば、実際に
江戸時代の旗本であり南町奉行でもあった根岸鎮衛(ねぎしやすもり)という人が書いた作品がありますが
目嚢とはと思って読んでいきました。
以前私は加門七海さんの作品の
「203号室」や「祝山」をご紹介したことがありました。
その2作品と同じく
鹿角南(かづのみなみ)という、加門七海さんをモデルにしているらしきホラー小説家が出てきます。
鹿角南には、香織という年の離れた従兄妹の女性がいて、香織は菊池家という旧家に嫁いでいました。
菊池家の古い土蔵で見つかった古文書がこの
目嚢だったのです。
目嚢に書かれている怪談に興味を持ち、鹿角南は旧家の菊池家について調べ始めます。
しかしそれと同時に、指を怪我したり、 大量のヤスデが湧いたり、自分の部屋だけが地震に有ったり(他の地域は何でもなくて、そもそも地震など起きていませんでした)などのいろんな妨害が出はじめます。
そして蔵の中で見た幽霊画にかかれていた、抱えた丸首を齧っている女も出没するようになります。
私がこの作品読んで何よりも怖かったのが
目嚢という古文書を自宅に調査の為に持ち帰るだけで
幽霊女が付いて来てしまったという点でしたね。
江戸時代に書かれた「耳袋」は、作者が他人から聞いた話を集めたのに対して、
「目嚢」書いた人物は、どうも実際に幽霊が見える人だったらしいです。
ネタバレになりますが、従兄妹の香織は、菊池家に嫁いで、また鹿角南も目嚢に関わったために
延々とこれからその呪いを受けて行く運命なんですよ。
鹿角南さん、今後加門七海さんの作品に登場するかどうかは不明ですが、かなりこの作品は
あと味の悪い終わり方をしていると言うのが、ブログ管理人の感想でしたね。