いつもは冷静だったキャプテンみらあじゅが一瞬取り乱して
「ワルキューレ、ワルキューレ」と叫んだ時があった。
不覚だったが俺は不沈艦だし、この位の被弾だったら
大した損傷ではなかった。
しかし、キャプテンみらあじゅはキッと唇を噛みしめると
全クルーに臨戦態勢を取らせた。
主砲どころか副砲までスタンバイの始末。
結果、敵の戦艦は大破して戦闘不能に。
大破直前に敵に言い放つキャプテンみらあじゅは
冷静なだけに、俺の妹ながら鬼気迫る怖さがあった。
「あなたは私の大事なものを傷つけた。思い知りなさいね」
このことがあってからは
キャプテンみらあじゅのことを
ちんちくりんの小娘と悪く言う敵は居なくなったそうだ。
キャプテンみらあじゅ、俺の為に怒ってくれてありがとう。
俺のことならば損傷は大したこと無いのに。
キャプテンこそ流れ弾に当たって怪我しているじゃないか。
俺のことは、後でいいから早く船医から手当してもらってくれ。
なんで自分の怪我よりも俺を心配するのだ。