戦艦ワルキューレの航海日誌91 | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

ワルキューレのモノローグ


あれは俺が敵に遭遇してしまい、レーザービームで被弾した時のことだった。

いつもは冷静だったキャプテンみらあじゅが一瞬取り乱して

「ワルキューレ、ワルキューレ」と叫んだ時があった。

不覚だったが俺は不沈艦だし、この位の被弾だったら
大した損傷ではなかった。

しかし、キャプテンみらあじゅはキッと唇を噛みしめると

全クルーに臨戦態勢を取らせた。
主砲どころか副砲までスタンバイの始末。

結果、敵の戦艦は大破して戦闘不能に。

大破直前に敵に言い放つキャプテンみらあじゅは

冷静なだけに、俺の妹ながら鬼気迫る怖さがあった。

「あなたは私の大事なものを傷つけた。思い知りなさいね」

このことがあってからは

キャプテンみらあじゅのことを

ちんちくりんの小娘と悪く言う敵は居なくなったそうだ。

キャプテンみらあじゅ、俺の為に怒ってくれてありがとう。

俺のことならば損傷は大したこと無いのに。

キャプテンこそ流れ弾に当たって怪我しているじゃないか。 
俺のことは、後でいいから早く船医から手当してもらってくれ。

なんで自分の怪我よりも俺を心配するのだ。