戦艦ワルキューレの航海日誌53 | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

副長のモノローグ
みらあじゅ艦長が謎めいた問いかけをして来た。

「ねえねえ、副長。ドーナッツの穴を残して周りを食べることって出来るかなぁ?」

マグカップのミルクを赤ちゃん飲みしながら

艦長は、いたずらっぽい目つきをして私の顔を覗き込む。

「これは哲学の問題ね」

哲学とはなんだろうか?

そもそも問題の『穴』とは何のことなのか?
そもそも『穴を残す』とはどういうことなのか?
『残す』というのはどのような動作なのだろうか?

人工知能の私には理解不能なことだ。

私は時々みらあじゅ艦長が利口なのか馬鹿なのか理解不能になる。

もう少し彼女については学習する必要がありそうだ。

童話を読むかと思うと人工知能に関した哲学書を読んでいる艦長。

私にワープ時質量修正値を入力するように指示しながら『不思議の国のアリス』を読んでいるみらあじゅ艦長。

彼女の行動は理解不能だ。