戦艦ワルキューレの航海日誌48 | 星導夜

星導夜

何気ない日常にも素敵なことが満ち溢れているように思います
日常のささやかなよろこび、楽しみを書き留めてみたいと思います

副長のモノローグ
記憶喪失中のみらあじゅ艦長が

人工知能の私には理解不能な事を言っていた。

人工知能の私は嘘をつくようにはプログラミングされていない。

みらあじゅ艦長がスケッチをしていたので

「キャプテン。お上手ですね」と声をかけたところ

艦長はびっくりした表情で

「副長。私が見えるのね」と尋ねる。

艦長は確かにここに存在しているのに。

しかも艦長にしては珍しくご機嫌斜めで

「ごめんね、本当に見えているの?私はいてもいなくても一緒だよね」と、踵を返してしまったのだ。

ワルキューレが
「キャプテンみらあじゅ、どうした?」

と話しかけても

この前まではあんなにワルキューレとテレパシーで話せる事を喜んでいたみらあじゅ艦長が
「ごめんね、今日はお話したくない」

人工知能の私には人間の感情は理解不能だが、

何となく艦長は落ち込んでいる。

どうしたのだろうか?

地球歴2020年5月18日