※画像はネットからお借りしました。この物語の背景に合わせて、昭和レトロ感のトイレ画像を選びました。

『真夜中になると寮の北側のトイレには幽霊が出る』
そんな話が、留吉少年たちの住む工場の寮に伝わっていた。
普段留吉たちは、南側にあるトイレを使っていて、昼でも薄暗くて不気味な北側トイレには近寄ったことがなかった。
なんでも、人が誰も入っていないはずなのに、扉をノックすると誰かがノックを返すと言うのだ。
ある晩のこと。麻雀に負けてしまった留吉は、罰として北側トイレをノックするように言いつけられた。
留吉は武者震いすると、まずは1番手前のドアをノックした。
『コンコン』ノックの音が帰ってきた。
2番目も3番目も。
おかしい。なんだかおかしい。
この真夜中に3番目までが塞がって居るのがおかしい。
留吉の歯がガチガチなりだした。
最後のドアも
コンコン
その時。
一斉にドアが開いたかと思うと
最後のドアから飛び出して来たのは
来たのは。
なんと血塗れの兵隊の幽霊だった。
当然留吉は朝まで失神していた。
あとから聞いた話では、寮が建っている場所は、戦時中は兵舎だった。
先輩の厳しいしごきに耐えられなくなって、新兵の気の弱い少年兵が自殺した。
少年兵は今でも時折姿を見せるらしい。
北側のトイレはその後、使用中止になった。
お読みになった皆様、いかがでしたか?
作者の私は、自分で書いておきながらゾッとしたものでした。朝方書いたのですが、夜にはとても書く勇気ないのです。















みらあじゅ