深夜に走る筈のない、亡霊の乗る路面電車を見かけてしまったからだった。
今度は、同じ同僚の田吾作のアパートを訪ねて行った。
寮生活をしている留吉には、アパートで一人暮らしをしている同僚が憧れだったからだ。
夜遅い時間に帰るのはこりごりだったので、留吉は黄昏時に田吾作のアパートをあとにした。
田吾作が、駅までついて来てくれると言うのを断ったことを後に後悔する事になる。
駅までの道がわかりにくくて迷ってしまったのだ。
「はぁ( ´Д`)=3どうすべ、困ったべ。」
思案にくれる留吉を誰かが手招きした。
シルエットは逆光になっていて、よく見えない。
招かれるままについて行った留吉はたまげた。
風もないのに。
卒塔婆がカランと音を立てた。
作者より
この話は、私が学生時代に体験したことを、怪談仕立てに脚色しました。
学生時代。私の友達が東京の谷中霊園の近くのアパートにいたのですよ。彼女のところに遊びに行ったら、方向音痴の私は、日暮里駅に出るところを間違えて、谷中霊園に迷い込んでしまったのですね(笑)
決して怪しい道案内に招かれた訳ではないのです。
えっ!実は墓地の中の何者かに呼ばれたのでしょうか?
なお、アパート画像や谷中霊園の画像はネットよりお借り致しました。
みらあじゅ