みらあじゅの夢十夜 第2夜こんな夢を見た。ある晴れた春の午後。私はニコライ堂から聖橋へと歩を進ませていた。ちょうど桜が散り行き神田川の水面には花筏ができていた。そう、あの花筏の下にはきっと水死体がゆらゆらと漂っているに違いない。春の盛りのオフーィリアよ。その身を投げる前に心に去来したのはなんだったのだ。私は瞳を凝らして花筏の下の美しき水死体を追った。遠くで雷がなった。