ひもかわ饂飩=ウドン・巾ひろうどんが生まれたのは「利根川では、このへんの川幅が一番広いからそれにちなんで」と言うので、はるばる桐生に行ってきた。
で、訪ねたのは創業120年という藤屋本店…9年前のことだった。
注文した冷やしうどん+ひもかわ+とろろ800円は、たしかに東京のひもかわうどんの比ではない。これなら自慢するのもうなずけると感心していたら、隣にいた地元のオッサンが話しかけてきた。
「どこから来たの」・「東京から」・「遠くからわざわざ?たいへんだね・ひもかわ食べに来たのならもっと巾広いのがあるよ」
と、教えられて行ったのが、麺処酒所ふる川暮六=めんどころ・さけどころ・ふるかわ・くれむつ、というやけに長い店名…で、はからずも饂飩屋のハシゴとなった。
嬉しかったのは、広い駐車場。意外だったのが建物の風情…田舎風の古びた饂飩屋を期待していたら、あにはからんや、ちかごろ風建物で味もそっけもなく、壁に色気のない{ふる川}の文字だけで、ノレンモない。
店内は、キレイ清潔ではあるが、ただの食堂という感じで味も素っ気もない。
さっそく、ひもかわ冷やしおろしうどん760円を注文。
それは丼に入っていて、問題のうどんはクシャクシャで、上にきゅうりとワカメとインゲン、そして中央にこんもりと大根オロシがのっていた。
さあ、どんなに巾が広いか、興味津々で割りバシを入れて驚いた。
その巾は、ほぼ割りバシいっぱいほどもあり、苦労して、引っぱりだして、写真を撮るのもヒト苦労だった。
もちろん食べるのもヒト苦労、どうやって食らいつくのか?工夫が必要で、苦労して口に入れると、しっかりとコシがあり、おいしいウドンだった。
これで食べやすかったら、は無いものねだりだが、とにかく好奇心の満足度は最高である。
おしむらくはツユの味…東京育ち東京の味になれた舌には少々濃すぎるし、ダシに物足りなさも感じた。
が、饂飩ファンなら、一度は食べなければならないヒト品だと思った。
桐生は、この巾ひろ饂飩ばかりでなく、ソースカツ丼も名物のようで、二店ともにミニかつ丼とのセットがあったから、遠方から訪ねた初めての客は、それにすべきだ。
訪問は2015年で、当時は600円~1100円ほどの価格帯だったが、最近の値上げ流行で、高くなっているようだが、仕方なかろう…いずれにしても、そんなに高いものではない。
好奇心が満足しての帰り道で、高速道路を走りながら、あの饂飩どちらも、冷たかったから良かったが、あれ熱かったら食べようがないだろう、どうするのだろうかと悩みながら走っていた。