いま横浜中華街で一番行列が長い店は、広東料理の南粤美食だと思う。

 待つのが嫌なら開店1時間前必着という…ランチ時には2時間以上だそうだ。

  どんなに旨い料理でも、そうまでして食べたいとは思わないが、この長い行列は、孤独のグルメ・井之頭五郎が来てからと聞く…ハタ迷惑な、有名TVグルメ番組である。

 南粤美食…日本では馴染みが少ない粤という漢字はエツと読むので、店の名はナンエツビショクだ。

 みなとみらい線・中華街駅を降りて、朝陽門(東門)をくぐり、交番の右側の道を進み、左に長い行列が見えたら南粤美食だ。

写真:カウンタ席の向こうに主人。

 小さな店は赤くて目立つが、高級店には見えない…店内も町食堂的で、女店員は、味も素っ気も無く愛想はないが、明るい対応が、せめてもの救いである。

写真:明るい対応の女店員

 旨い料理は、たくさん食べたいが、年を取ると食べられるのはヒト品だから、選ぶのは慎重だが、今回食べたいものは既にきまっている…井之頭五郎が食べた名物釜飯だが、五種類ある中の腸詰干貝柱釜飯は1680円だった。

 釜飯は待たされると聞いたが、意外に早い着釜だった…いち巡目で入ったからだろうか、時間がかかる人気料理は、開店前から、半行程くらいは、調理を進めてあるのだろう。

 まず女店員がカキ混ぜてくれたが、そのあと底のオ焦げをていねいにはがして、更にていねいに混ぜると、いよいよ旨くなるから不思議だ…気のせいかも?

 ここの人気に鶏塩蒸焼というのがあるが、もう食べきれない…そこで、半羽を持ち帰りにした。家でゆっくり食べたら旨かった。

写真:鶏塩蒸焼980円

 ほかにも、鴨肉の醤油煮とか海老雲呑麺が絶品というが、あの行列では、また食べにいく気にはなれない…が、ランチタイムを大幅に外すと、行列は短いらしいが、そんなことをすれば、体内時計のリズムが狂って食欲がなくなる。困ったものである。