魚偏に方、魚偏に弗と書いて=ほうぼう=魚の名前だ…竹麦魚とも書くが、日本沿岸の海底を這い歩いて、小エビを餌にするという、変わった魚だ。

 グロテスクな姿だが、食べれば旨い…食べ頃は、冬から春の寒い時期だが、その時期を過ぎても、夏を過ぎる頃まで、美味しく食べさせる店がある。

 どこから見て方位が巽=たつみなのか知らないが、たつみの方角に宝ありと言い、開業した方宝たつみ、という店だ。

 住所は銚子だが、街の中心からは、国道356号線を利根川沿いに北上すること、車で10から15分、といったところにある…30台ほどの、広い駐車場がありがたい。

 この店で、季節外れで美味しい魚が食べられるのは、主人が発明したらしい、魔法のタレのおかげだという。

 で、冬にたくさん取れた新鮮な方宝を、品切れになる秋まで食べられるということになるようだ。もちろん方宝ばかりでなく、鯖など、旬のみじかい魚にも応用が利くようだ。

写真:前菜&釜めし御前。

写真:方宝の茶碗蒸し。

 方宝ではないが、銚子の鯖漁は日本有数だが、その中で極上サバは3%ほだどと聞く。また、入梅いわしというのも有名だ…どちらも実に旨いから、食べると病みつきになる。

 

 方宝たつみは、料理のレベルも相当なもので、どれでも安心して注文できる。新鮮な刺身はもちろん、金目の煮付けも旨い。

写真:別の日の刺身。

「一度食べてごらん」と、隣り合わせた地元の客に、鰻を勧められたこともある…養殖の名品・坂東太郎もあるように、もともと利根川・霞ヶ浦の鰻は有名で、方宝たつみより上流の{たべた}や{うなせん}は、私のオ気に入りだが。

 さらに上流の佐倉あたりになれば、旨い鰻屋たくさんだが、何故か、銚子に近づくにつれ、旨い鰻屋が減ってくる…鰻好きとしては、いずれ方宝たつみで鰻重を、と思っている。

 天麩羅も旨いが、肉系も旨い?という…鶏や豚ならまだしも、牛となると、信用して良いものか、首をかしげるが。シャトーブリアンが旨かったと聞いたが、いずれにしても、鰻重が済んでからにしよう。

 この店で、かならず買って帰るのが、方宝の押し寿司…夏場は売ってくれないが、クーラーBOXに保冷剤を用意して、強引にお願いしたこともある…暑い時期に季節外れの方宝の押し寿司、喜んだのはカミさんだった。