浅草橋駅から、老舗の人形屋・久月を右に見て、江戸通りを蔵前方面に歩くと、左手に須賀神社。更に歩くと、老舗あさだがある。

 浅草、浅草橋界隈には、老舗がゴロゴロだが、あさだの創業者・浅田甚右衛門が店を開いたのは、安政元年=1854年だった。

 台東区浅草橋に居をかまえる、あさだは蕎屋だ…北海道産&茨城県産のソバを、自家の石臼で挽いて、十割蕎を打つという蕎麦屋だ。

 細くて角が立っているソバは、見るだけでも気分を良くしてくれるが、私が此処で好きなのは、オロシ蕎…ソバと大根オロシは、相性が良いと思う。

 絡み大根なら、なおよろし、というところだが、あさだにはない。

 ソバ前は、豊富にあるらしいが、酒は好きでも、昼酒を飲む習慣がない私には、縁がない…が、たまに食べた刺身も、天麩羅も旨かった。

 江戸の頃から、蕎麦屋の酒は、上酒と言われるように、あさだも良い酒を、たっぷりと揃えているらしい。

 あさだの、客あしらいは微妙に旨い…気配りの良さはもちろんだが、適当な距離感を保っているところがよろしい。

 一人客の扱いが、上手だとも感じた。

 最近TVで、江戸美食倶楽部という番組が始まった…里見浩太朗が、名所旧跡を歩きながら、旨い処にタドリ着くという、番組だ。

 第二回目の放映が、あさだだった。

 

 ここの店主は、TVで蕎打ちの講師もしているようだが、店でもやっているらしい。

 店でもらったカードには、江戸蕎麦打処あさだ・受講割引とある…最近趣味でソバを打つ人が増えたらしいが、一流ソバ職人に習うのだから、さぞかし腕が上がるだろう。

写真:最後の訪問は2022年・コロナ禍で弁当を始めたようで買った焼き鳥丼は旨かった。