{RVがスポーツの走りを手に入れた}が、1997年に登場したフォレスターの、キャッチコピーだった。

 そして、2000年のマイナーチェンジで、ルックスを変え、エンジンが希薄燃焼になった。

写真:フォレスター/小田原漁港・写真に汚れあり御容赦を。

 

 スバルには、熱烈ファンが居るレガシーと、当時世界のラリーで活躍するインプレッサがあったが、両車ともにマニア好みだった。

 そんな実力派の部材を流用して、開発したのがフォレスターだった。

写真:大磯報道試乗会で。

 スバルのポリシーは{他社のヒット車種を気にせずに技術優先で独自商品を育てる}=人気車種の後追いをしないから、ミニバンもクロスカントリー型もなかった。

 それでは物足りないという客もいたが、一発屋的冒険はせず、代々のファンを落胆させない車造りに徹し、流行を追わない姿勢は、共倒れがないメリットもあっただろう。

 が、歴史的に見れば、やがてジリ貧になり、トヨタの子分になってしまうのだが。

 フォレスターを専門家が褒めたのは、パッケージングのよさだった…乗用車とSUVを足して割ったようなレイアウトは、ワゴンの使い勝手の良さを、さらに向上した利便性を備えていた。

 高い車高と角張ったキャビン構成は、広い室内空間を生みだした。高い着座は視点が高く、運転席からの良好な見切りを生み出した。

 そして、前後席共に、乗降が楽なのは、年輩者や女性に、歓迎される要素となった。

 世界でも珍しくなった、水平対抗エンジンは四気筒で1994cc・自然吸気OHCは135馬力。インタークーラーターボDOHCは250馬力。

 街乗りなら135馬力もあれば充分だが、250馬力になれば、ゼロ400m加速が14.76秒と駿足だった。

 スバルサウンドなどと、独特な騒音にこだわるフンアもいたが、それは昔のこと…フォレスターは、アイドル45db・100粁時68dbと静かだった。100粁以上で上昇する騒音はタイヤのせい、と報告している。

 ちなみに、実走燃費9.8km/ℓは、フルタイム四駆としては、立派だとも。

 次の美点は走破性…最低地上高200㎜が生み出す走破力は、普通のワゴンとは一線を画す。

 乗用車+四駆では、世界の老舗らしく、世界トップレベルの走破能力は、フォレスターも例外ではなかった。

 インプレッサの血筋も引き、操舵反応はリニア・スムーズな回頭・クセのないロール感・良好なロードホールディング等々、レベルが高かった。

写真:CR-Vー1995年とRAV-4ー1994年/共に御殿場試乗会。

 国内でのライバルは、ホンダCR-VやトヨタRAV-4あたりだが、姿の好みを除けば、乗用車で悪路に遭遇した時に心強いのは、フォレスターということになろう、と当時の試乗記で報告している。

#明日から、国際モーターショー取材でバンコクに出発です。帰国は4月2日なので、その間ブログは休業です。

宜しくご理解のほどを。