錦糸町の松下さんと、フグを食べに行った…栃木・那須郡・那珂川町の、鮨遊膳錬聖という、鮨屋へ。
わざわざ東京から鮨を食べに、ではない…温泉とらふぐを食べに、である。
周りに家もなく、ヘッドライトに照らされる道路をひたすら走り、たどり着いたら、キレイな店が一軒…何か、不自然な光景だった。
清潔感ある店、愛想の良い店員に案内されたところは、個室だった。
コースで予約したから、煮こごり、てっさ、茶碗蒸し、唐揚げ、白子、そして最後は河豚ちりと、お定まり料理を満喫できた。
写真:温泉とら河豚の煮こごり&鉄っさ&唐揚げ。
天然物より、やや味に深みがないが、それでも、フグをコースで食べた満足感、そして初体験温泉ふぐえの好奇心、で満足感充分だった。
写真:河豚ちり&温泉とら河豚のキレイな身。
コロナ禍もあけて、また行こうかと思い、ネットで検索すると、なんと店は健在だが、河豚が居ない…養殖業者が廃業したというのだ。
そもそも、栃木県で河豚というのも、場違い的産物だったと思うのだが…でも、年産2万5000匹態勢で、出荷されていたと聞く。
そもそもの始まりは、この地の温泉に塩分が含まれ、調べたら、生理食塩水ほどの、濃度があると判った。
那須は有名な温泉地だが、那珂川町の地下には、太古の塩の層か、海水が閉じ込められているのだろうか。
そこを通過して、温泉が出てくるのだろう…と気がついた人が居て、それなら海の魚が育つのではと思ったようだ。
廃校のプールに温泉水を引き、紆余曲折のあと、東大教授の協力も得て、養殖に成功したという。
河豚の出荷は、平成12年=2000年からだそうだ。そして12年間、どう頑張っても、赤字態勢から抜けられずに、廃業したという。
ふるさと納税での評判もよく、県内から東京方面も含めて、150店舗ほどに供給してきたというから、評判はよかったようだ。
旅館などでも評判だったようで、特産品としても、なくすのには惜しい気がする。
失礼だが、これまでの経営は武士の商法だったのではないだろうか。河豚は、昔からの高級食材だから、需要はたくさんあるはず。
写真:河豚ファン珍重の白子と〆の雑炊。
SOS*どなたか商才に優れた方は居ないのだろうか。九州の方で、温泉河豚養殖に成功しているという話もきいたこことがある…ちなみに、温泉河豚には毒がないので、安心して肝が食べられるそうだ(現法では許可されないようだが)。
玄品ふぐのような業者の後押しでもいい。近大マグロなど成功例もあるのだから、ナントカ助けたいと、思っているのは私だけでないだろう。