2014年6月に、ランドクルーザー生誕30周年、記念モデルというのが、誕生した。

 ランドクルーザー=愛称ランクルは、本格的四輪駆動車として、その頑丈さが世界に認められ、国連監視団、政府軍、それと戦うゲリラ反乱軍、敵味方、共にランクルという、いろんな場面がニュースで伝わってくる。

 

 そもそもトヨタ四駆は、WWⅡ中に陸軍の要請で、フィリピンで捕獲されたジープを参考に、試作に成功したAK-10型に始まる。

 戦後、その技術を元に、警察予備隊(現自衛隊)向けにトヨタジープBJ型を開発、日産、三菱と共に応募するが、三菱ジープに負けてしまった。

 トヨタは、ジープを四駆の代名詞と思っていたらしいが、ウイリス社の登録商標ということで、以後使えなくなった。

 軍需が駄目になったトヨタは、民需向けとして、1955年に20系を発売。1960年に40系に進化。55/56系が1967年に加わり、1984年に大型の70系が登場する。

写真:発表前事前試乗でのランクル70型/朝霧高原*赤坂迎賓館のは60型でしたので差し替えました。御了承願います。

 

 それから30年が経った2014年=平成26年に、生誕30周年記念として、70系を復刻…今回はそのレポートである。

写真:30周年記念車と長男の嫁。

 もっとも復刻版は、エアバッグ、ABS、NAV、電動ドアミラーなど、当時の最新装備だが…マニアに嬉しいのは、記念バッジが輝いていること。

 電動で上下するアンテナスイッチが懐かしい。空調関係の横スライド式レバーも懐かしい。パワーステアリングでも重いボールナット式は、切れが悪く回転半径が6.4米も。30年前はハッチバックだったが。

 ヒルディセントなどないから、滑る下り坂降下は、足ブレーキの高等技術操作が必要。始動は、ブレーキ&踏み代が深いクラッチを、共に目一杯踏み込む必要がある。

 こんな書き方をすると、復刻車は、どうしようもない車と思うだろうが、実なソコが良い…ランクルフリークは、その30年間のタイムスリップが楽しいのである。

 もちろん、世界の戦場や探検、冒険でも活躍するクロスカントリー型だから、頑丈さは軍用レベル。ファンにとっては愉しい車なのだ。

写真:発売前トヨタの東富士研究所で試乗中。

 私にとり、70系の初乗りは、朝霧高原試乗会だった。40系、50系と較べて、ドでかいのに感心した。

 そして12月に、広報車/329万円を借りて、九十九里海岸の砂浜を走り、実力を堪能した…インパネの傾斜計、レトロなプッシュボタン型ラジオなどが懐かしい想いでだ。

 ちなみにエンジンはディーゼルで、千葉往復実走燃費は、8.5km/ℓだった…それから早10年が経ったが、ランクルフリークの記念車は、大切に保管されて、全車、元気に走っていることだろう。