スバルのSUVはアウトドア志向だが、レボーグレイバックは、快適な乗り心地の、都会派SUVに仕上がっている。

 が、最低地上高200㎜、更に大径タイヤ+四輪駆動で、本格的踏破力もスバル本来のSUVらしき性能も、兼ね備える優れものだった。

 

 かなり昔だが、スバルの四輪駆動を、アウディの役員が「四輪駆動の乗用車ならアウディとスバルが世界で最高・が、スバルはケシカラン・高性能なのに値段が安い」との不満だが、褒め言葉と受け取った。

 スバルが、四駆としての操安性に優れているのは、左右対照ということもある。それは水平対向エンジンで低重心、一直線に後輪を駆動するシャフト、ピストン運動に始まり、すべてが左右対照という、生まれながらの特性もあるだろう。

 操安性、乗り心地が良いのは、高いボディー剛性もさることながら、足回りという見えないところに、金を掛けているからだろう。

 

 広角ステレオ+超広角=3カメラ+レーダーで、アイサイトの安全性能も向上している。

 キャビンの広さは充分だ。走行中の騒音レベルも低く、10スピーカのハーマンカードン製オーディオが楽しめる…昔喜ばれた、スバルサウンドは聞こえなくなったが。

 11.6吋・大型のディスププレイも良い…多くの情報をコントロールしやすい縦長画面は、ボルボで気にいったスタイルだった。全席USBポートがあるのも親切。

 荷室は、広さを重要視する欧州車にヒケをとらにないし、引っかければ荷物が暴れない、荷室内の荷物フックは、嬉しい気配りといえる。

 

 量産車では、世界でポルシェとスバルだけになった、水平対向エンジンは四気筒・1795cc・177馬力で、加速感に問題ないが、エンジン出力を少々下げてやれば、中低速でもっと扱いやすくなるのでは。

 他会派として、一般ユースに振ったのだから、平均的ドライバーに「運転しやすいと」と喜ばれる方が良いだろう。

 スバル伝統の優れた四駆性能を伝承しながら、平均的ドライバーにも歓迎という、欲張りを両立させたレボーグレイバック、お薦めの一台と思われる。