2003年頃だったと思うが{チャングムの誓い}という韓国ドラマが、たしかNHKーTVだったと思うが人気だった…韓国の題名は{大長今}=テジャングムだった。。

 主人公チャングムは、奴婢=ヌヒ=女奴隷にされたり…波瀾万丈のなか、水刺間=スラッカンの長・最高尚官=チェゴサングンに。最後は王様の主治医となり、大長今の称号を与えられるという出世物語。

 この水刺間とは、王様の料理を作る厨房で、そこで代々料理人の家系だったというのが、尹家。その尹家の末裔の娘が、尹美月=ユンミオル…その尹美月が、銀座に開いたのが、韓国宮廷料理の店・尹家。全個室で、宮廷料理を提供する高級店だ。

 

 宮廷料理とは、中国漢方と朝鮮薬事方を基本とする、薬膳料理、よく言われる医食同源、薬食同源というやつだ。

 宮廷料理を名乗る店はたまにあるが、本格的なのは滅多にない。しかも、新仙炉や九節板がメニューに、となれば更にしぼられる。

写真:九節板=クジョルパンと神仙炉=シンソンロ。

 尹家には両方あるので、錦糸町の食いしん坊仲間と…本格的宮廷料理、しかも上記二品が入るコースとなれば、2万円。それが高いか安いかは、考えようによるだろう。

 

 その2万円コースは・・・・・・

1, 南瓜とナツメの食前粥。

2, 薬膳山菜ナムル。

3, 九節板。

4, 車海老と松の実ソース。

5, 魚饅頭。

6, ドングリと茸のチャプチェ。

7, 薬膳黒あわび蒸し。

写真:黒鮑茸栗棗などと・下は冬虫夏草。

8, 神仙炉。

9, 骨付きカルビ。

10,  参鶏湯粥。

11,  韓国伝統デザート。

 以上だが、最後の骨付きカルビと参鶏湯は、完食できなかった。老人には量が多すぎた…錦糸町は完食したが。

 終戦直後の統制時代のいかがわしい店から、日本初高級韓国料理の銀座凊香園以来、低・中~高級店まで、昭和20年代後半からの韓国&朝鮮料理のファンだが、尹家の料理は、高級高品質で、旨さはトップレベルだ。

 さて韓国料理は、甘・辛・酸・苦・塩で五味…薬膳では黒・白・黄・赤・青と色でも表すが、九節板や神仙炉を見ると、色鮮やかに、それを伺わせる。

 最後の参鶏湯粥では、たくさんのパッチャン=副菜が並ぶが、二年漬けという白菜キムチが旨かった。

 が、チャングムの時代に、朝鮮には唐辛子がないはず…朝鮮に唐辛子は16世紀頃からで、一説には天正20年=1592年、秀吉の野望で攻め込んだ日本の武士が、寒さしのぎに持ちこんだのが、定着栽培されたものだと聞く。

 

 余談はさておき、尹家の本格的宮廷薬膳料理、各人の好みはともかく、美味しいことは間違いないから、フトコロと相談で御賞味あれ。