レクサスSCが2010年に生産を終了して、4年ぶりに登場したクーペモデルが、レクサスRCだった。

 で、2015年にハイブリッド300h/629万円で岡谷にでかけた…レクサスGSのプラットフォームをベースに仕上げた、スマートなクーペの顔は、ようやく違和感が消え始めたスピンドルグリルだった。

 動力性能は、直四DOHC・2.5ℓ・178馬力+電動機=220馬力。ハイブリッドらしい電動アシストで、発進加速は気分良し。

 中高速では、モ少しパワーを、だったが、エコ指向時代なれば納得だ…燃費はJC08=23.2km/ℓで、諏訪湖往復の実走燃費=16.1km/ℓ。車重1740kgを考慮するなら、当時は立派なものだ。

 走りの味は、FRらしき感触で、キビキビとしたハンドリングが気分良し…電子制御可変ダンパーの効果で、乗り心地も上々。

 この満足感は、ボディー剛性の高さも影響しているはず…100粁巡航時の室内騒音が64dbで、五月蠅いと感じる70db到達は170粁越えと推測される。さすが静かな仕上がりだ。

 インテリアが素晴らしい。美しい竹のトリムは、日本ならでは、レクサスならではの物だった。

 ホールド力ある皮シートは、冬暖気&夏冷気の通風型。ヒーター付ハンドル。クラシックなアナログ時計。NAVオーディオのスマホもどきのタッチコン指示が、当時斬新だった。

 17個ものスピーカーのマークレビンソンは、静かなキャビンで快音を響かせる。とにかく、それぞれの時代で、最先端を盛りこむレクサス流は、何処もかしこも楽しかった。

 

 そんな、資質のレクサスRCのルーツを調べてみた…たどり着いたところは、1981年登場のソアラだった。

 1980年頃、日本の高級車市場は輸入外国車ばかりで、パーソナルユースの高級車では、ベンツのSLが断トツ人気だった時代である。

 そんな市場に、日本車で初めて殴り込みを掛けた車が、ソアラだった…少々無謀じゃない?と思ったが、結果は無謀ではなかった。

 自身で運転する裕福なソアラのドライバーが増えると、1991年から、輸出さえも始まった。

 しばらくすると、怖い人達の女や女房が運転する高級車というような、噂が立ったりもした。

 

 発売当初の2ℓに加えて、強力な直六DOHC・170馬力搭載の2800GT が登場する。

 早速、広報車を試乗すると、ゼロ100粁加速が11.07秒、ゼロ400mが16.74秒の駿足に感心したものだった。

 気になる燃費は、60粁定置燃費15.5km/ℓ、10モード燃費8.1km/ℓ…当時は、燃費表示が60粁定置から10モードに変わる途上で、両方が提示されていた。

 で、試乗した実走燃費は、6.3km/ℓだったが、今なら?の燃費でも、当時はバブル経済上昇中、加速優先の時代らしく問題はなかった。

 オートエアコン・回転感応型パワステ・クルーズコントロール・音声警告・四輪通風型ディスクブレーキ等々、当時の最新斬新技術が詰め込まれていた。

 

 レクサスRCクーペは、そんなDNAを継承した気分の良い走りをするクーペだった…少々ドぎつい顔と感じたスピンドルグルルも、気にならなくなった頃だった。

 そんなRCクーペの試乗先は、諏訪湖の先の岡谷だった…当時は関西流食べ物で、東京では珍しい、蒸さない鰻の地焼きが、岡谷の観光荘で食べられると聞いからだ。