高知は有名な観光地だが、私には縁が薄いところだった…1984年頃、一度だけ高知空港に降りたことがあった。

 奄美大島からの帰路、同乗の友人が急に「鰹食べよう」と言いいだして、急遽着陸…飛行場の食堂で鰹を食べた。東京では見られないか、ブ厚い切り身が印象的だった。

 九州方面へは良く飛んだから、近くは何度も飛んでいるのに、何故か、それきりだった。

 2015年、祐気方位が高知なので、JALで出かけた…一休みのあと、ホテルで「料理が沢山ある居酒屋」と聞くと、酔鯨亭を教えてくれた。

 裏通りの店のノレンの前に立つと、ココは旨そうだと予感がした…店内はチョット広めの居酒屋そのものだった。

 高知なら、まず鰹のタタキとばかりに、酒と共に注文…藁焼きの鰹が新鮮で、旨いのはもちろんだが、高知では塩で食べる塩たたきだった…が、食べ慣れているせいか、やはり鰹はオロシニンニクたっぷりで、ポン酢の方がいい。

 一口飲んで落ちつくと、さて御当地産品と珍味ということで、品書きを見る…私の一生は、好奇心旺盛だから、めずらし物好きなのである。

 で、ウツボのたたき、のれそれ、ちゃんばら貝を注文…ウツボはグロテスクな姿なのに、食べたら旨かった。

 のれそれは穴子の稚魚で、酒の肴には良いが、子供のうちに食べるのは勿体ない、大人になるまで待って、穴子料理として食べた方がよいのでは、と思った…ちゃんばら貝は、身の先端に、刀のように見える部分があるのが名前の由来で、こいつは好奇心が満足で、味も良かった。

 明くる日、別の店でウツボの唐揚げ、青さ海苔の天麩羅、帆立に似た長太郎貝の酢味噌和え、なども堪能した。

 高知なら、イチ推しが皿鉢=サワチということだが、一人には多すぎる…で、次の訪問時、スマホ無知老人の助っ人・保立さんと一緒に、ミニ皿鉢を食べることができた。

写真:ミニ皿鉢/8000円。

 さて、坂本龍馬で知られる高知に着いたら、龍馬パスポートの入手を忘れずに…種々の特典割引を受けながら、観光が楽しめる。

 スタンプがたまると、青から赤→銅→銀→金とステップアップして、最後は殿堂入りとなる…私は、スタンプ六個で、赤になったばかりだ。

 見物なら、高知城をはじめ名所が沢山あるが、先ずは、はりまや橋だろう…が、電車が通る本物は鉄筋コンクリートのなり、そばの、小さく赤いのが観光用はりまや橋だが、見れば少々落胆、というよりは苦笑ものである。

 本物の橋のたもとに、ペギー葉山植樹の記念樹がある…脇の小川では、一定の時間おきに、彼女の♪南国土佐♪が流れてくるのを、忘れずに。

 また宮尾登美子で有名な料亭・陽暉楼=ようきろう=現在は得月楼で、皿鉢も素晴らしいが、安い昼御膳がオ薦めだ…一流の料理と素晴らしい庭、建物、全がて御馳走である。

 高知なら海の幸だが、四万十川の産物も忘れずに…市内からは少し遠方だが、旨い鰻屋があるようなので、次回はレンタカーで、と思っている。

 ちなみに、酔鯨亭・司・祢保稀=ねぼけは同系列…居酒屋が酔鯨亭、高知で土佐料理なら司、東京で土佐料理なら祢保稀ということだ。