今日は私が残したいある人のことを
ここに記します

今ここに生きてる記録を残したい
その子は言った

一年前その子は
人生で経験することのない
出来事にあった

一年経ってみて
ずっと封印してた箱を
少し開けてみた

今でも思い出したくない

今でもはっきり覚えてるあいつらの名前

その権利を振りかざして
度を越えた行為は許されるはずがない

この日ほど
どれだけ自分に力があれば
どれだけ自分にお金があれば
どれだけ自分に権力があれば
と思ったことか・・

その子には何もなかった
何もできないと思い知らされた

その子は自分の不甲斐なさに
泣いていた

私は何もしてあげられることがなくて
悔しかった

その子は人生で経験することのない
怒り悲しみ苦しみ憎しみ恨み
憎悪敵意復讐殺意
様々な負の感情と悪の感情を持ち
行き場のない気持ちを
吐き出す場所もなく
真っ暗闇の中にいた

なんの光もない
月明かりさえも見えない
穴を掘った土の中に
埋められたようだった

いつ死んでもおかしくなかった
息をするのが苦しかった

でもその中でもどうにか出ようと
どうにか生きようと
もがいていた

助けを呼んでも
誰にも何も聞こえない
誰にも届かない

土の中に誰かいるなんて
思いもしない
当たり前だ

その子がそこにいることなんか
誰にも気付かれない

それもそうだ
その子は言葉を発することを奪われた

人間になりたいアリエルが
自分の足と引き換えに
声を失ったのと同じように…

その子の声は誰にも届かない
でもその子が引き換えたものの代償は
その子が望んだものではなかった
勝手に奪われて
その子の声も奪われた

助けを呼びたくても
その子の声は死んでしまった

封印していた箱の中の一番上には
遺書があった

でも今その子は生きてる

ここまで来るのに本当に大変だった

色んな人の助けも借りた
色んな人に迷惑かけた
でもその中で真実も見えた
そういう状況の中で
人間の本心を知ることになった
そして本当にいらない者もわかった

味方のふりして本当は敵だった

絶対に復讐してやる
そう言っていた

そしてやっぱりやつらは結局
自分が一番かわいいのだ

自分のことしか考えていない

そんなやつらとは
関わりたくもない

そんなやつらに復讐する時間を
使うのももったいない

私の人生なのに
やつらなんかの為に使いたくない
そう言った

復讐することへの体力気力が
半端なくキツかった

こんなに苦しいのに
なんで私がこんな思いをしてまで
私の人生をやつらの為に
使わなくちゃいけないんだ?
と思うようになってきたと話してくれた

復讐は何も生まない
むしろその子の時間を無駄にさせる

そして
やつらを思い出すのも辛いから
その子は箱に封印した

一年前のあなた
頑張って生きてくれてありがとう

今も大変なこともあるだろうけど
あの時の辛く悲しく苦しい毎日ではないよね

みんないるから

頑張ってここまで来てくれて
ありがとう