こゆきにちひろ
真っ白な体に赤い目を持つアルビーノ
ニュージーランド生まれの
二匹のフェレットたち
８年前に我が家の一員となり
真っ白な毛並みの美しさと
子猫のような無邪気さゆえ
皆から愛された
６年を過ぎた頃
こゆきに起きた小さな変化
突然体調を崩し
連れて行った病院で
インスリノーマだと言われた
インスリンを分泌する膵臓腫瘍
大量のインスリンが分泌されて
低血糖になる病気、らしい
Dr.は重症だと言った
それから約二か月の闘病
嫌がる薬を
一日二回スポイトで飲ませ
週に一度は背に打つ注射
あの子はその度に
私の手元へにじり寄ってきた
心を鬼にして続けたけど
治るものならと続けたけれど
一か月後の夜
私達の見守る中
二度と目を開けなかった
ひとり残された
やんちゃなちひろ
こゆきの遊び友達にと
少し遅れてうちへ来た
おてんばな女の子
それからも
一人で我が家を賑わした
部屋で跳び回り
お腹が空いたら冷蔵庫の前に
見かけないと思ったら
洗濯機の下で丸まっている
あの子は何も変わらなかった
でも、それから少し経ち
皮膚病を発症
大事に至らない事を祈ったが
それから半年間
病魔は静かに進行し
ある日突然の下血
それからまもなく永眠した
かけがえのない
小さな二匹のフェレットたち
ありがとう
おやすみなさい
