3月19日(金)

 北朝鮮が昨日も飛翔体5発を発射したことで、今朝もラジオに電話出演した。TVのほうは、午前中に都内で講演を予定しているので、午後からの出演となる。

 北朝鮮が3日に射程200kmの新型放射砲6発、10日に射程500kmのスカッドミサイル2発、18日に射程800kmのノドン2発に続いての発射ということもあって、段々不安が増しているようだ。

北朝鮮は昨年も米韓合同軍事演習が始まった3月にスカッド2発と地対地ミサイル7発、併せて9発発射しており、一昨年も300mmを4発、スッカドを4発、ノドンも2発を発射しているので驚きには値しないが、今年はすでに4回、15発とは例年よりは数が多い。今年の米韓合同軍事演習が量、質の面で過去最大規模と言うこともあって対抗手段として乱射しているのだろう。

 昨日発射された飛翔体について韓国は新型放射砲とみているが、米国防総省は単距離弾道ミサイルとの見解だ。ならば、射程200~380kmのスカッドAを発射したのだろうか。スカッドAの他、北朝鮮にはスカッドB(320~380km)とスカッドC(射程500~600km)の単距離ミサイルがある。しかし、この数年訓練で発射しているのはいずれも射程500kmのスカッドCだ。

 北朝鮮が18日発射したノドンの射程は1000~1300kmだが、発射地点から800kmの海上に着弾していた。直前に弾道ミサイルの大気圏再突入の模擬実験に成功し、金正恩第一書記が「早い時期に核弾頭装着が可能なあらゆる種類の弾道ロケット(ミサイル)試験発射を断行せよ」と命じたことからノドンの大気圏再突入するための実験だったのではないかとみられている。

 ということで、昨日の発射ももしかすると、スカッドCの大気圏再突入実験かもしれないと思ったところ、北朝鮮は先ほど、3日の時と同様に金第一書記が立ち合いの下に新型放射砲の最終発射実験を行ったと発表した。

 国連決議が採択されて20日経つが、ミサイル開発、発射を阻止するどころから、逆に拍車をかける結果を招いているのは何とも皮肉なことだ。