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きょうは、
美里町小牛田にある山前遺跡に行ってきました。

山前遺跡は古墳時代前期の大溝で囲まれた集落跡がみつかっています。

先日、栗原市で開催された入の沢遺跡のシンポジウムでも取り上げられていた遺跡です。


あたりに広がる水田は黄金色。
既に刈り取りの済んだ箇所も散見されます。
そういえば、昨日のニュースで新米の販売開始が報道されていました。
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山前(やままえ)遺跡は、JR東北本線小牛田駅の南西約2kmの場所にあります。

南を鳴瀬川、北を江合川に挟まれた水田地帯の中にある河岸段丘上にあり、水田との比高差が10mほどの、ゆるやかな舌状の斜面に立地しています。

1975年(昭和50)に団地造成にともなう事前の発掘調査が行われ、縄文時代から中世にかけての各種の遺構・遺物が見つかりました。

翌年に遺跡中央部が国の史跡に指定され、保存されることになり、現在は公園となっています。
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こちらは現地の説明版で、発掘で見つかった古墳時代の溝跡の部分だけ青く着色してみました。

図の「大溝2」などの周りにある四角形や「コ」字形の線は、竪穴住居跡を示しています。
※緑色は公園部分

集落を囲むように、張り出しなどを伴う溝が続いています。
大溝2の西端から大溝1の東端までは、総延長250mほどもあり、かなりの規模です。

大溝は幅が3~6m、深さ1~4mで、断面は逆台形をしています。

古墳時代前期の竪穴住居跡は25棟みつかっています。

発掘で出土した土器の中には、畿内や東海地方の形態的特徴を持つ外来的要素を有する土器もあるそうです。
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公園から南西方向を眺めてみました。

木々があるので見晴らしはよくありません。
周囲に広がる水田と、鳴瀬川の対岸にある丘陵が見えます。

公園は段丘の頂部にあるわけではなく、その南斜面にあります。
1枚目の写真中央に小高い杉林がありますが、公園は杉林とその手前に連なる住宅との間にあります。
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現地を訪れてみて、立地の面だけから見ると、ゆるやかな段丘斜面にある山前遺跡と、かなり急峻な小丘陵上にある入の沢遺跡とでは、ちょっと印象が違うように感じました。

また、山前遺跡の近くには古墳がいくつかあります。
写真は保土塚古墳で、山前遺跡から700m程の所にあります。直径47mの円墳で、時期は前期後葉。

この近くには、前期中葉に築造された全長66mの前方後円墳である京銭塚古墳もあります。


山前遺跡や保土塚古墳は小牛田駅からも近く、仙台からだと半日ほどの手軽な遺跡歩きができます。

最後の写真は、山前遺跡から1.5kmほど南に行った、野田橋からみた鳴瀬川です。
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【参考文献】
青山博樹 1999 「小牛田町山前遺跡出土の塩釜式土器とラウンドスクレイパー」『宮城考古学』第1号
小牛田町教育委員会 1976 『山前遺跡』
高橋誠明 2015 「古墳時代前期の倭国北縁の社会-宮城県北部の様相-」『古代倭国北縁の軋轢と交流 栗原市入の沢遺跡で何が起きたか』(東北学院大学アジア流域文化研究所公開シンポジウム資料)