
先週末は、岩手県金ヶ崎町中央生涯教育センターで28日・29日に開催された、 「安倍氏のうつわ検討会 ~鳥海柵遺跡の土器を中心に~」(平成23年度前九年合戦・安倍氏研究事業)に行ってきました。 金ヶ崎町にある鳥海柵(とのみのさく)遺跡は、平安時代後期に起こった前九年合戦の舞台として『陸奥話記』などに記される「鳥海柵」にあたる遺跡とされています。 鳥海柵遺跡で出土した土器が再整理され、前九年合戦が起こった11世紀代の土器様相が明らかになってきたことから、東北地方の11世紀前後の遺跡で出土した土器を一堂に会して比較検討しながら、安倍氏の器、そして11世紀とはどんな時代かを考えるのがこの検討会の目的です。 28日は講演や研究発表が行われました。 ◆基調講演 藤原良章氏(青山学院大学教授)「かわらけの歴史的意義について」 ◆調査報告 浅利英克氏(金ヶ崎町中央生涯教育センター)「鳥海柵遺跡と土器変遷」 ◆研究発表 伊藤博幸氏(奥州市埋蔵文化財調査センター)「古代城柵における王朝国家的土器様式の成立について」 井上雅孝氏(滝沢村教育委員会)「中世土器様式の確立」 羽柴直人氏(岩手県立博物館)「王朝期から院政期への土器変遷」 29日は、会場施設に付属する体育館で東北各地から集められた土器の紹介・見学後、検討会が行われました。 私自身は土器を研究しているわけではなく、この前九年よりも古い時代について勉強しているのですが、開催日の3日前にこのイベントを知り、興味を持って急遽行ってみました。 岩手は遠いですね。 どんな雰囲気の会なのか不安だったのですが、研究者の方も一般の方もたくさん参加されていて、特に2日目の検討会は熱い議論が行われていて圧倒されました。 11世紀の土器という、かなりマニアックで先端的なテーマでありながら、会場に来ている一般の方々への配慮も随所にみられて、不勉強な私にはありがたかったです。 11世紀は東日本全体が考古学的に分からない事の多い時代ですが、鳥海柵遺跡をはじめ各地での調査や研究の積み重ねによって、しだいにその様相が明らかになりつつあります。 今回の検討会では、浅利さんが鳥海柵遺跡出土資料の再整理の結果示した、Ⅲ-1期(11世紀前半(古))・Ⅲ-2期(11世紀前半(新))・Ⅲ-3期(11世紀中頃)と分類された土器が、今後東北地方における11世紀代の土器編年の基準資料として位置づけられるだろうということでまとまりました。 2枚目の写真は、2日目の展示土器の紹介・解説時の様子。
