
今回は、考古学関係の2つのマンガを紹介します。 ●いとうれいこ『オレンジ☆シップ』(講談社コミックスKCDX) 先週、新宿のジュンク堂で偶然見つけました。 最近出たマンガのようです。 サブタイトルとして、 「諸平野大学実験考古学ゼミノート」 とあるように、実験考古学を題材とした異色のマンガ。 偶然10年ぶりに再会した幼馴染は、変人の巣窟といわれる「実験考古学」ゼミの一人になっていて…… 一癖も二癖もあるゼミの学生といっしょに、主人公は実験考古学のあれこれを体験していくというようなおはなし。 本の帯に「笑える考古学」とありますが、基本的に考古学の紹介がメインではなくて、実験考古学を題材にしたコメディマンガです。 描いてらっしゃる漫画家さんは、いろいろと考古学について調べられたようですが、実際に考古学を勉強している側からみると、おかしな、「笑える」部分も多々あります。 縄文の集落に外堀って……? とか、 なんでトレンチを「まがり」で掘っているんだろう……? とか。 かんじんの内容はいまいちパッとしないストーリーでオススメはしませんが、実験考古学という特殊な分野にスポットをあてた珍しいマンガということで、一度読んでみるのも面白いかもしれません。 ●高室弓生『ニタイとキナナ』(青林工藝社) こちらは、縄文人の夫婦の生活を描いたマンガ。 細かな所まで丁寧に描き込まれていて、絵に厚みがあって素晴らしいです。 舞台は、縄文時代中期の岩手県遠野あたりにあった架空の村、デランヌ村。 湖で罠漁をして暮らすニタイとその妻キナナの、春夏秋冬、そして出産から子育てまで。 なんでもない日常が、とても温かな視線で描かれています。 漫画家さんは、高校時代に考古同好会で活動し、その後は発掘現場で作業員さんをやられていた方で、地元岩手の民俗学的知識も取り混ぜて、あざやかに、しっかりと縄文の暮らしを語ってくれます。 巻末の「縄文うんちく講座」も情報が詰まっていて面白い。 よくある「教科書マンガ」にはない、生き生きとした縄文世界。 オススメします。 余談になりますが、「うんちく講座」で有名な雨男として出てくる、やや長めの白髪でメガネをかけた某大学某教授……うちの○○先生じゃないかなあ(笑)