
これはその一つ「石貨」
何だか、よくある「原始人のお金」ってイメージにぴったりですね。
石貨は南太平洋に浮かぶミクロネシアのヤップ島で使われていた貨幣で、
80年くらい前まで実際に使用されていたそうです。
石貨は直径6cm~3m程の物がありますが、
日比谷公園にある石貨は直径約1mで、大正13年ごろに1000円くらいで流通していました。
大正時代の千円って事は…現在の価値で200万円くらいでしょうか?
この石貨はヤップ島から大正14年に寄贈された物です。
ヤップで造られた石貨は地元の石材を用いるのではなく、
はるばる400km離れたフィジー諸島までカヌーで行って、
結晶質の石灰岩(方解石?)を切り出して持ち帰ったそうです。
大変な苦労をして得たからこそ価値があると認められているわけですね。
この石貨はいつごろから使われるようになったかは分かっていません。
国立民族学博物館の印東道子さんの著書(『オセアニア 暮らしの考古学』)によれば、
発掘調査で見つかることはないので、それほど古くないのでは?との事。
ただし、石貨は埋葬時の副葬品などにする物ではないですから、かなり昔からの伝世品もあるではないでしょうか。
ともかく、
頻繁とは言えなくてもかなりの頻度で数百kmの航海をカヌーで行っていたという事は、
紀元前にメラネシアや西ポリネシアに広がっていたラピタ文化における、黒曜石の遠隔地への広範囲の流通を考える上で、非常に興味深い民族誌例と言えると思います。
それにしても、
こんなのがいきなり遊歩道の脇にあったのでびっくりしました。
最初は何か趣味の悪い冗談かと思いましたよ。