【第11話】異界【フェリシアさんとカネオくん】

フェリシアさんと
カネオくん

ひつじのシムズ4さんで連載されていたたかり屋チャレンジの主人公、ヒモカワカネオくんをお迎えして自作シムのフェリシアと恋してもらうお話です。

物語パートとプレイログパートに分けて更新します。

拙い文章ではございますが、今日は物語をお楽しみください。

また本記事はひつじさんとは無関係の2次創作企画です。

ひつじさん、及びひつじさんのファンやカネオくんのファンの皆様、不快に感じましたら申し訳ありません。

Twitter、wavebox、コメント欄、どこからでもプレイヤーであり筆者であるRinまでお申し付けください。

ひつじのシムズ4で連載されていた

カネオくんのお話はこちら。

【ルール・1】mooch off your neighborhood challenge始めます【たかり屋チャレンジ】Mooch off your neighbor challenge「たかり屋チャレンジ」他人の家に居候しながらお金を稼いで豪邸王になろう！シムズ4

hitsuzinoanesan.blogspot.com

未読の方はぜひ一読してみてね

前回のお話

【第10話】楽園

異界

はぁ、この世界じゃ全然絵売れねぇなぁ…。
ん？あれって…
フェリシア？

・
・
・

パパ！
なんで無視したの？
前も…。

フェリシアは…

フェリシア、お前は…
なぜ私と同じ職業を選んだ？

え？

今お前は評論家だな？
しかもアート専門だ。
なぜ私と同じ職にしたのだ？

知らない…
パパが同じ仕事してたなんて知らないよ！

…そうか。
ではそのことについてはもういい。
だがもう一つ。
ヒモカワカネオはどこにいる？

え？
な、なんでカネオくん…？

いいから答えなさい。

し、知らないよ…。
なんでパパがカネオくんの名前知ってるの…？
お兄ちゃんね！？
お兄ちゃんが言ったんでしょ！？
パパ、お兄ちゃんは本当は…

黙りなさいフェリシア！
ヒモカワという男のことを知らないと言うなら、今すぐ家に帰るんだ。

なんで！？
なんでパパがそんなこと言うの！？
だってパパは…！

いいか、フェリシア。
家に帰りたくないならヒモカワという男がどこにいるか答えなさい。

…。

俺がなんだって？

カネオくん！？

…お前がヒモカワカネオか？

フェリシア連れてかれちゃ俺が困るんだよなぁ。

…お前がどんな人物なのか、調べても何も出てこなかった。
それはお前がこの世界の人間じゃないからだ。
そうだな？

…え？

異世界人ね…。
もしそうだったら…どうすんだ？

異界から来た得体の知れない男に娘が誑かされたのだ。
親として引き離すのは当然だ。

親ねぇ…。
お前はフェリシアの実の親なんだろ？
俺には親なんかいねぇけど、育ててくれた親父はいんだよ。
別に善人でもないしいい人間じゃないけどな。
でもな、まだそんな親父の方が子供のことを考えられてたぜ。

…親が子をどう愛すかはそれぞれだ。
それにお前のような男に育ったなら、その育ての親も碌でもないようだな。

…。

いい加減にしてよパパ！！

え？

さっきからなんでカネオくんに酷いこと言うのよ！
お兄ちゃんは元々どうしようもないし意地悪だし口も悪いから仕方ないけど、なんでパパまでカネオくんのパパの悪口いうの！？
もう嫌い！！！

…フェ、フェリシア…？

意地悪なのはママとお兄ちゃんだけじゃなかったのね！
じゃあミネルバおばちゃんの言う通りフェリシアはパパとママの子供じゃない！！
行こう、カネオくん！！

え、あ、いいのか？
お前の親父、たぶん死ぬほどへこんでるけど…。

いいの！
カネオくんのパパの悪口言うなんて最低！！
大っ嫌い！

…フェリシア、先行ってろ。
俺もすぐ行くから。

…おっさん、あの、まぁ、頑張れよ。
俺に用事あんなら俺んとこ直接来いって、な。
アルフレッドも最近よく来るし今度2人で来いよ。

フェリシア…。

・
・
・
San Myshuno
スパイス・マーケット

カネオくん、ごめんね…。

ん？なにがだ？

パパがひどいこと言った…。

はは、別にいいって。
親父が良い人間じゃないのは本当だし、俺もまぁ…こんなだしな。

こんなって？

真っ当に生きてないって意味だな。

真っ当って何？

…悪いことしてないのが真っ当ってことだ。

カネオくんは悪い事してるの？

さぁ…どうだろうな。
ナイショ。

…ママとパパは悪い事してないけど悪い人だよ。
お兄ちゃんも。

悪い奴じゃねぇよ。
嫌な奴だけどな。

…難しいよ。

そうだな。

…なんでパパはカネオくんを探してたのかな？

あー…なんとなく心当たりはあるけど…。
なぁ、フェリシアは…自分の親と今後どうなりたいんだ？

どうって？

普通の親子みたいに一緒に暮らしたいか？

ううん、それは思ってないよ。
もう2度と一緒には住みたくない。
でも…パパはね、優しかったんだよ。

メリル家の決まりで、魔力を持たない子供は奴隷として扱われるの。
でもパパはご飯を持ってきてくれたり、掃除手伝ってくれたり。
ママにバレないようにいつも優しくしてくれたよ。
学校に通えたのもパパのおかげなんだ。

…そうか。

だからってお兄ちゃんがいる家には行きたくない！

…お前ホントアルフレッドのこと嫌いなんだな。

お兄ちゃんはいっつも私に意地悪したし、宿題は私が代わりにやってたし、大嫌い！
しかもね、魔法ほとんど使えないのに魔法の国の先生や賢者様に嘘ついてるんだよ！
私や、チャーム家の人たちとか、賢者様も中には、お兄ちゃんがほとんど魔法使えないの知ってる人もいるけど。

…お前の親はアルフレッドが魔法使えないって知ってんのか？

ううん、知らないよ。
ママは特にお兄ちゃんが魔法使いの天才だって思ってる。
本当は「ホノオヨモエロ」しか使えないんだよ。

そういうことか…。
なぁ、フェリシア、明日一緒に魔法の国行こうぜ。
フェリシアも魔法使いになれよ。

え？
フェリシア魔法使いになれないよ？

は？なれるぞ？

え？だって生まれた時魔法使いじゃなかったよ？

俺だって生まれは人間だよ。

え！？そうなの！？

ああ、魔法の国にいる賢者に魔法使いにしてもらったんだよ。
…なんかこの会話前もしたか？

ううん、してないと思う。

そうか…？
まぁ、ともかく行こうぜ。

え、でも魔法の国って…

大丈夫だって、俺も一緒に行くから、な？

…うん！！

・
・
・
翌日
グリマーブルック

ここは…。

どうかしたか？

あそこの家、あれがフェリシアの家なの。
…結界で見えなくなってたけど、今はないみたい。
普通に見えるね。

…あの家？
本当に？

うん、そうだよ。
どうかしたの？

…い、いや、なんでもない！
さ、行こうぜ！！
こっちだ！

行くぞ！

これって…

マジックポータル。
ここから魔法の国に飛べんだよ。
ほら、入るぞ！

え！？
…カネオくん…いなくなっちゃった…。

よし…！
えい！

・
・
・
魔法の国

お、来たな。

う、うわぁ…！！
なにここ！！
すごい！！！

はは、すげぇよな。

異世界みたい…。

さ、入ろうぜ。

お、Lだ。

ん？なぁに？
あら？あなた…メリル家の子じゃない！
シメオンさんから聞いてたけど、自由になれたのかしら？

えっと…うん！

ふふ、よかったわね。
今まであなたの処遇に同情するだけで、助けてあげれなくてごめんなさいね。
シメオンさんは何もわかってないけど、モーギンくんなんかはとっても心を痛めてたのよ。

L先生、それくらいにしてください。
彼女を助けられなかったのは私が未熟なためです。
恥を広めないでいただきたい。

あら、モーギンくん！

フェリシアさん、賢者でさえメリル家の古いしきたりを破ることが出来ずに申し訳ない。

ねぇ、今日は何か用事があってきたの？

そうだ、こいつ魔法使いのなりたいって言うから連れてきたんだよ。

あなたは？

カネオ。
異世界人だ。
別世界のLに魔法使いにしてもらったんだ。

え！？
パパが言ってた異世界人って本当なんだ！？

あら、知らなかったのね？
この世界はね、数多の並行世界があるのよ。
数えきれない数の世界があるわね。
私がピチピチギャルになってる世界もあるし、モーギンくんがとっても可愛い服を着て彼氏とラブラブしてる世界もあるのよ。

L先生、余計なことは言わないでください。

ふふ、きっとあなたにもあるわよ。
例えば素敵な女性と結ばれる世界、とかね。

え…？

そんな話はどうでもいいからコイツを魔法使いにしてくれよ。

…なぜ君がやらないんだ？

あ？別にいいだろ。

君が目覚めの儀式をしてあげればいいだろう。
できるのだろ？

カネオくんに魔法使いにしてもらえるの！？
フェリシア、カネオくんがいい！！

はぁ…わーったよ。
ただ俺は魔法使いにするだけだからな？
魔法はそこの賢者どもに教えてもらえよ？

これでフェリシアも魔法使いに…。

でもごめんね、私たちではフェリシアちゃんの奴隷紋を消すことはできないの。
魔法の力では消せないのよ…。

…。

あなたは何か心当たりがあるのですか？
カネオくん？

は？いや…ねぇよ、そんなの。
とにかくフェリシアはここで魔法の訓練しろよ。
そんでアルフレッドと決闘しろ。

え！？

アルフレッド坊ちゃんをフェリシアの両親の前で負かせばいいだけだ。

な、なんでそんなことするの？

そしたらきっと、追っかけっこも終わるだろ。
アイツらが俺に付きまとうのは
“俺がアルフレッドに魔法をかけたから”
だろうな。
偉大な魔法使いのアルフレッド坊ちゃんが魔法で負けたんだ。
一大事だろ。

あらあら、そんなことになっていたの？
あの子素質はあるのに根気がないから…もったいないのよね。

私が預かったらすぐなんだけど…。

アルフレッドくんはシメオン先生に任せるべきです。
L先生の魔法は覚えるべきじゃない。

はは、でもアイツ気ぃ弱そうだしイタズラ魔法くらいじゃなんも出来ねぇだろ。

イタズラ魔法は悪用する方も多いので注意するべきなんですよ。

…なんでこっち睨むんだよ。

別に深い意味はありませんよ。

さて、フェリシアちゃん？
あなたは誰に魔法を習う？

え？

アタシはイタズラ魔法の賢者。
イタズラ魔法は…そこのカネオくんが名手のようね。
彼、モーギンくんは原始魔法の賢者。
古くから伝わる魔法の基礎の部分ね。
今はいないけれど、シメオンさんは実用魔法の賢者。
生活が便利になる魔法を教えているわ。
さぁ、フェリシアちゃんはどうする？

フェリシアは…。

…カネオくんがいい！！

…いや、今の話聞いてたか？
俺じゃなくて賢者にだな…。

ふふふ、カネオくん。

…なんだよ。

愛されてるわね♡

…。

いいんじゃないかな。
新しい魔法が覚えたいとか、作りたい薬がある時だけここに来たらいいですよ。
では、フェリシアさんはカネオくんに任せましょう。

え、おい、待てよ、俺は教えるなんて言ってな…

あら、愛されてる証拠じゃない。
素直に喜んでおいた方がいいわよ。
…あなたは理解してるでしょ？
それが“特別なこと”だって…

…世話焼きババアかよ。

あら、まだババアじゃないわよ。

フェリシアさん、では魔法で困ったことがあったら遠慮なくここにきてくださいね。

ありがとう、モーギンくん。

…モーギン、くん…？

Lちゃんも、ありがとう。
異世界のことかもしれないけど、カネオくんを魔法使いにしてくれて、ありがとう。
フェリシアは魔法使いのカネオくんに助けてもらったから、Lちゃん、ありがとう。

ふふ、私自身は身に覚えがないけれど、届くといいわね。
カネオを魔法使いにした私に、あなたの感謝の気持ちが、伝わるといいわね…。

うん！

じゃあ、さっさと魔法使いにすんぞ。

うん、お願いします！！

ふふふ、ラブラブね。

はぁ…彼に任せてしまって大丈夫でしたかね…。

どうかしら、でも仲が良くっていいわね。

いくぞ。

…わぁ、体が浮いてる…！

これで、フェリシアも魔法使える？

いや、まだ使えねぇ…
なぁ、このやりとり前にもしたか？

ううん、してないよ？

そうか…前にもこうしてフェリシアを魔法使いにした気がしたんだけどな。

さっきLちゃんが言ってた並行世界の記憶かな？

さぁな…。

ありがとう、カネオくん。
フェリシアは覚えてないけど、カネオくんはきっと他の世界のフェリシアのこと覚えててくれたのかも…。
だとしたらとっても嬉しいな。

…どうだろうな。
俺もはっきりしてるわけじゃねぇし。

でもフェリシアは、きっと何度でもカネオくんを好きになるし、何度でもカネオくんに魔法使いにしてもらうよ。

さっきLが言ってたろ、他の世界じゃ他の奴と…

ありえないよ。
”この世界”ではありえない。
フェリシアはカネオくんしか考えられないもん。

やだ！すごいキスしてる！
見てほらモーギンくん！
尊いわぁ！！

はいはい。
L先生、カプ厨とやらも大概にしてくださいね。

フェリシアわりぃ、ちょっと用事できたから俺行くわ。

うん、わかったー。
ん？Lちゃんどうしたの？

なんであんだけ熱いキスしたあと平気でスマホいじって立ち去れるのよ！！
どうなってんのよ！！
しかもフェリシアちゃん魔法使いにしたばかりじゃないの！！

L先生落ち着いて…。
カネオくんとはそういうシムなんですよ…。
あとで異界のブログ紹介しますから…。