国民一人当たり1100万円の借金」は本当?

yahoo!news2026.6.23 




 1350兆円もの国債という借金があり、日本のGDPの200%をはるかに超えていると危機を煽る。国民一人当たりに換算すると1100万円にもなるという。


 yahoo! news2026.6.23 



 確かに国債の発行累計額は1342兆1720億円ある。さらに、2026年度の新規国債発行額は29兆5840億円の予定だ。対GDPもここ数年減ってきているとはいえ、2025年も230%になる。国民一人当たりも確かに1100万円にはなるであろう。


しかし、国債は政府の借金であり、国民の借金ではない。国民一人当たりで計算するのは間違っている。 財務省は国の貸借対照表(バランスシート=BS)を公開している(54ページ)。国債を含む2024年度末の負債は1483兆円であり、資産の合計は783兆円である。資産・負債差額がマイナス700兆円。これが政府の実質の負債額である。1483兆円の負債額の半分以下である。いくら負債があっても資産があれば、補うことができる。

しかし、それでも700兆円の負債額がある。日本のGDPよりは大きい。だが、国際的に認められた経済学的な分析では、政府会計を単独では見ず、中央銀行のBSを含めた統合政府の会計で評価する。……省略


 日本の財政破綻危機で意図的に「大丈夫」「安心」「問題ない」と流されている、まことしやかな「5つのうそ」を暴く 14分で読める 公開日時 



 【うそ1】 政府の借金は国の借金ではない。一方で、それは国民の資産であるから、何の心配もない。 負債は誰かの債権であるから、負債と資産はバランスして、同額となるはずである。それこそが、バランスシートである。国の借金というのは、対外債務という考え方もできるから、そういう意味では、国の借金ではない、ともいえる。 しかし、個々の企業が倒産することを考えると、この議論はまったく意味がないことがわかる。企業Aの借金は銀行Bの債権つまり、資産であるから、企業Aは倒産しない、と言ったら、誰もがおかしいことに気付くだろう。



企業Aが借金を返せないのでは? と思ったら、誰も、企業Aの借金の借り換えに応じないだろう。となれば、企業Aは倒産し、銀行Bは資本が毀損する。1990年代後半の日本経済である。銀行Bは窮地に陥る。同様に、満期が来た国債の借り換えに誰も応じなくなったら、国債を資産として保有している者は破綻するつまり、この【うそ1】の後半がいちばんの問題である。180度逆である。国民の資産であるからこそ、とてつもなく心配なのである。 



 うそ2】 日本国債は、日本国内でほとんどが所有されている。だから、ギリシャなどとはまったく異なり、何の心配もない。 これは【うそ1】の続きだ。ギリシャですら、財政破綻後も国がなくなったわけでない。アルゼンチンなどは何度もデフォルト(債務不履行)を繰り返しており、それでも国は動いている。 ましてや日本は、国内の借金だから、対外関係には何の問題も生じない、ということだが、これも180度逆だ。国内で所有されているからこそ、日本は世界一大変な財政危機なのである。なぜなら、「夜逃げ」ができないからである。


  「紙幣がくずになる」🎃




倒産して「ごめんなさい、心を入れ替えてやり直します」、とはいかないからである。政府の負債は国民の資産であり、負債が返済されないということは、国民の資産がまさに紙くずになる、ということである。

実際には、リスケジュールして、ゆっくり払われるだろうが、実質的に返済される額は減る。半分程度にはなるだろう。つまり、半分は返ってこないのである。



ギリシャの場合は、財政破綻は、どっかの遠い国の金持ちの投資家たちの損失にすぎないから、彼らからは当分借金できないかもしれないが、国民負担はないのである。一方、日本は、財政破綻してしまえば、ほぼ全額国民負担なのである。だから、日本の財政破綻は、歴史上世界一もっとも自国に損失を与える財政破綻となるのである。 



 【うそ3】 日銀を政府の子会社とする「統合政府」として捉えなくてはならない。統合政府のバランスシートで見れば、日銀が保有する分の国債は相殺されるので、国の借金は半分程度となる。


これに対する反論は、多くの有識者が行っているが(そして、その反論は正しい)、要は、日銀は、国債を民間金融機関から買うときに、彼らに対する支払いを行っており、それは民間金融機関の預金、日銀当座預金として残っているから、統合政府(というものがあるとすれば)は、

民間金融機関に借金をしていることになり、これを考えれば、統合しても国の借金の額はまったく変わらない。 さらに問題なのは、日銀当座預金には付利を行っている。つまり、利息をつけている。これは、現在は、短期の政策金利の水準としている。つまり、政府が発行する長期国債を日銀が保有し、短期に振り替えて借金をしている、ということだ。 なぜこんなことが必要か? それは長期では民間金融機関投資家が金を貸してくれなくなったから(長期国債を買ってくれなくなったから)、短期の借り入れでしのいでいる、ということだ。政府が超長期国債の発行を減額し、短い満期の国債発行に振り替えているのと、同じ現象である。短期の借り入れのロールオーバーでしか政府は借金できなくっているということだ。🚧


つまり、政府の借金が1000兆円あって、そのうち500兆円分の国債を日銀が保有しているということは、政府が日銀に頼らずに1000兆円長期国債を発行している状態よりも、はるかに悪い、ということである。500兆円は短期のカネでしか調達できなくなっている、ということだ。そして、インフレになった場合、インフレを抑えるために、短期金利を上げないといけないから、短期のカネを借りる金利がどんどん上がっていく、ということになる。 


次ページが続きます……省略



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