職場の一年生男の子のお話。


授業中、便意を催し

男の子はその旨を伝えた後

トイレへ行った。


その間に

授業はどんどん進む。



便意と言っていたから

長いのは分かるが


私は少し心配になって

様子を見に行った。


私「大丈夫かな?」


男の子「うん、まだ出ないー」



快便タイプではないのかもと

私は一旦、教室に戻った。



それから数分後、

再び様子を見に行った。


私「もう出たかな?」


男の子「うん、でもおしり拭けない」


私「え?!」


私は驚いたが、

男の子にドアを開けてとお願いし

中に入る許可をもらい

ドアを開けた。


男の子は

汗をびっしょりかいていた。



私「ごめんね、

もっと早く来れば良かった」


男の子「うん、

でも俺がおしり拭けないから…」



6歳の男の子は

おしりを拭くことが出来ずに

ずっと私を待っていた。


家でも

親がやってくれるらしい。


私は

おしりの拭き方を伝えて

男の子自身にやってもらった。


私「上手に出来たね!

       次も自分で頑張ってやってみようね」


男の子「うん!」


汗びっしょりの男の子は

やっと、いつもの笑顔を

取り戻した。



小学校一年生。



教育の基本は

家庭にある。


園や学校で

先生方も頑張っておられるが

1人で何十人もの面倒を見る現場では

個別のお世話は限られる。


衣食住、健康に関わる

基本的な世話は

自分で出来るよう

教えていきたい。


当然、失敗もあるだろう。


しかし、失敗することが

その先の成長に繋がる。


失敗をさせまいとするのは

子どもを信じられていないか、

親自身が手間が増えるのが嫌だから

のどちらかが多い。


私も年子育児で

疲労困憊していた時は

先走るダメ親だった。


しかし、

子どもの成長と共に

困りごとが増えて

「育児のやり直し」をした。



親が先走ることの弊害は

子ども自身に生じる。


「この子は出来ないから」


そう思い込んで

手をだし口を出していては


子どもは

いつまでも出来ないままだ、

本当は出来るのに。


そして子どもは

いつしか、やる気を奪われ

常に他責を始める。



この拙い文章を読んで

ハッとされた方は


どうか、

日々の暮らしの中での体験を

子どもに沢山させてあげてほしい。


そして

初めはみんな失敗するものだと

我が子の失敗を温かく見守り

再びチャレンジすることを

応援してあげてほしい。



おしりが拭けない男の子は

学校での「トイレストレス」が減った。


この日以来、

私がトイレで長居することは

なくなった。



一年生。



みんな本当に可愛いのだ。


だけど、私は

彼らの10年後、20年後を

想像しながら接している。


それぞれの良さを発揮しつつ、

カッコいい大人に育ってもらいたい。



最後まで読んでくださり、

ありがとうございます。


今日も心からの感謝と愛を。