前回、利府街道沿いにある伝説の店「味一品」を紹介したが、その店は夜のみで、しかも週4日のみの営業である。
しかしこの利府および岩切地区は日中も、ラーメン激戦区と言われるところで、「本竈」「麺屋久兵衛」「三福」「(とがしグループ)かいじ」「伊藤商店」「むらさき屋(みずさわ屋系)」「ラーメンショップ加瀬店」、、それ以外にも多数のラーメン店が存在する。
さらに、巨大な利府イオンモールがオープンし、そこにも地元の名店がフードコートに出店している。
利府地区で日中ラーメンを食べると決めたなら、
「自分は結局どんなラーメンが食べたいのか?」「今日はどんな気分なのか?」というのをちゃんと決めてからじゃないと、路頭に迷う時間ばかりが過ぎていく。三福は曜日限定メニューもあったりする。
そういう意味では今回紹介する「麺匠大黒」は、メニューが多くどれも外れないので、決めかねていたり、コロナ禍が落ち着いて連れと行くなら良い店であろう。
さて、
麺匠大黒は多賀城店と利府中インター店があり、なかなかの腕前な地元店である。
そこで期間限定で出していた「横浜家系ラーメン」がレギュラーメニューになっていることを知り、家系ラーメンの専門店は今巷にたくさん進出しているが、「数あるメニューの一つに横浜家系」というのはなかなか無いのでは?と思い、久しぶりに訪問した。
利府中インター店
場所は三陸道利府中インターを出てすぐ西側。仙台からは利府街道をずーっと塩釜方面へ真っ直ぐいくと到達する。
斜め南西方向を見るとそばに「らーめん堂仙台っ子利府店」があり、この店を意識して「家系ラーメン」を登場させた可能性が十分ある。
この麺匠大黒は、もともとは「つけ麺」が美味しいと評判ならしいが、太麺、細麺、メニューによっては極太麺が選べたり、平日限定のセットメニューがあったり、そして数年前から「特製肉ワンタン麺」を登場させ、大盛無料にしたり、お客さんのリピート率を実力であげる努力をされているようだ。
カウンターには鰹節や煮干しが置いてあった。非常に手際よく、従業員のチームワークも良い!
で、横浜家系ラーメン880円を注文。
大盛無料とのことだが普通盛りにした。
これも注文したからである(笑)
スープを一口。
鶏油の濃厚で豊潤な味が良い!しかも量が多く、食べ終わるまで熱い鶏油が楽しめる!
それでいて、動物系に加えて節系の出汁が俄かに感じ、非常に美味しい!
確かに、食べやすい家系のスープではない。
上品な油とカエシのコラボが強烈ではある。
けれども、新横浜ラーメン博物館が開業間もない頃に初めて食べた横浜家系六角家...鶏油の量と味が強烈で本当にビックリしたのだが、それを思わせるような味なのだ。
町田商店や横横家とも違うし、北海道出身の山岡家とも違う。もちろん、独学で独特の家系ラーメンを出しているラーメンB iGとも、具は同じだが違う。
チャーシューは吉村家系のスモークではない。
私は正直、本家吉村家がどんな味がするのか、食べたことがない。
それゆえ、
家系ラーメンファンの方、ここの横浜家系を食べていただき感想を伺いたい
というのが本音だ。
もちろん、コロナ禍が落ち着いたら是非横浜に本場の家系ラーメンを食べに行きたい。
私の結論は、印象に残る味ですごく美味しい家系ラーメンである。
チャーハンもしっとりしているのにフワフワしている、とても美味しいチャーハンだった。
利府界隈、「あの町はこういうラーメン」ではなくて、「今日はこのラーメン」と選べる街に住む利府町民は是非誇りを持っていただきたい。
「これぞ仙台ラーメン」という定義はない。
なぜなら、仙台は様々なラーメンが集まる街なのだ。
仙台で出会ったラーメンをベースに、
「やっぱりこのラーメンが生まれた故郷で、本場で食べて見よう!」
そう思わせるのが仙台なのかもしれない。
ちなみに、私も細々ながら日本全国のラーメンを食べ歩いてきているが、
自分のナンバー1の店は、仙台にある。
その話はまたいつの日か。