仙台市若林区南小泉字梅木18(旧住所)
仙台市若林区なないろの里2丁目11-7(新住所2018年6月〜)
住所は南小泉であったが、「なないろの里」「荒井西」とも呼ばれ、クロスモール仙台荒井の北側にある
仙台大勝軒 荒井店。
かの有名な山岸一雄氏の弟子、東北大勝軒阿部文和氏の店である。
ここ数年、自分は荒井店にて良く注文するのが東北大勝軒オリジナルとかいう味噌ラーメン、次に疲れたときに食べたくなるのがまぜそばである。
もちろん、東池袋大勝軒の代名詞「つけ麺(もりそば)」も好きだ。今日は暑かったこともあり、お昼時はたくさんの人たちが「つけ麺」を頼んでいた。
なぜか、ここの中華そばや味噌ラーメンは鰹節や煮干しの味が強いのだ。でそれにちまたでいう「蕎麦屋のラーメン」とはまた違った大勝軒特有のツルシコ中太麺が入る。何なんだろう?と調べてみると、
かなり昔に食べた東京荻窪の「丸信」に行き着いたのだ。
確かに、「丸信」のラーメンも鰹節の味が強く、どす黒いメンマ、見た目よりもボリュームある一杯、私にとって20年以上経った今も忘れられない味だ。
...終戦直後、長野から東京に来ていた蕎麦屋出身者たちは、蕎麦をだそうにもそば粉が手に入らず、それで小麦粉を用いた「中華そば」を売ることにし、5人が共同で今でも荻窪駅南口にある「丸長」を開業。やがて4人は独立し「丸信」「栄楽」「栄龍軒」そして「大勝軒」を開業。坂口と一緒に「大勝軒」を開いたのが山岸一雄とのことで、東北大勝軒が所属する「大勝軒味と心を守る会」は「丸長のれん会」に加盟している。
蕎麦職人たちが中華そばを通して、鰹節やサバ節、煮干しといった日本蕎麦のスキルを存分に発揮して今に至り、独自のラーメンという文化を構築したのだ!
なるほど!荻窪の、見た目は普通の東京ラーメンだけど一口すすると個性満点のあのラーメンと、荒井大勝軒の中華そばが関係があるのか!
それを知ると身近なところに大勝軒が出店してくれて、本当に有り難く感じた。
以前は食券方式だったが、1年くらい前?からタッチパネル方式に変わった。これは、入口が混雑しなくて、しかもゆっくり選べてすごく良い。
6月末までGotoイートが使えるのでこの内容で注文。
普通盛りである。
野菜がてかっていて、決してクタっていない。ここの野菜はホント好き!
スープを一口。
ちょっと薄めかな?夏だからか?
いつもなら少しとろみがあるのだが、夏であればさっぱり食べられるほうが良い。
けれども前述の魚介系の味が非常に効いている。これをもう少しアレンジすると旭川系の味噌ラーメンになると思うが、ともかく仙台大勝軒のオリジナルさを満喫できる。
大勝軒特有の、良い小麦粉の匂いがする、モチモチツルシコな麺!
チャーシューも柔らかく、良い焼き色も縁についている。ジューシーで美味しい!
玉葱と色んな味が詰まった味噌とのコラボ!海苔が一枚あるのも心憎い。
野菜に味の染みたメンマ、そしてかすかな挽肉が満足感を助長する!
あれ?そこにちょっとだけ固まった味噌が(笑)
味噌のホイップは難しい。やり過ぎてスープが冷めるのも嫌だし、ともかく作るも食べるも積み重ねか😅
でもスープに独自性が満載なのでスープから先になくなる😅
前回書いた「味よし国分町」の創立者は、仙台の街に突如登場した小さな店の味噌ラーメンに心が打たれて「このラーメンを是非仙台で広めたい!」と思ったとのこと。
小さな店の名前は書いていなかったが、なんとなく予想がつく。なぜなら同じ仙台人である私の父も、その店の味噌ラーメンに大きな感動を覚えたのだから。
山岸一雄氏も最初は弟子を一切とらなかったが、体を壊して一旦閉業し、奥様が亡くなられ、周囲に励まされて復帰してからは100人以上の弟子を育てた。しかも、ロイヤリティーを一切取らなかったという。それは、自分の味を多くの人に伝えたい一心だったからという。
私も東池袋大勝軒に一度だけ行ったことがあるが、今は亡き山岸氏を中心にめちゃ忙しいにもかかわらず本当にあたたかい店だった。
味に感動、この味を是非伝え残したい!
そのような店が生き残り、そのようなラーメンが私たちの心にいつまでも残っていくのだろう。