amazon primeで公開中の、「東京女子図鑑」というドラマを全話見ました。
特に事前情報もなく、目に留まったのと、あらすじを見て再生を始めました。
それがね、最後の11話まで見た今、アラサー(私)の胸に刺さって抜けないのです。
■大まかなあらすじ(ネタバレなし)
秋田の高校生だった絢は、「他人から憧れられる人」になりたい女の子。
東京のきらびやかさに憧れて、就職をきっかけに上京してくる。
初めての東京~40歳までの「東京の女子」を描いた全11話のドラマ。
女同士のマウント、彼氏のスペック、子供を産むか、キャリアはどうするか・・・東京の女の子ならではの生き方に悩む様子が描かれています。
■ネタバレありの感想(長い)
<1話>
秋田でちょっとイケてる女の子だった絢は、東京へのあこがれと田舎への嫌気があり、原宿にツインテールで遊びに行く。スナップ班の近くを行ったり来たり。全然声はかからない。絢はここで、自分の力量は「秋田ではちょっとかわいい女の子」レベルなんだ、と悟る。
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原宿にツインテールでいったことがあるあるです。さすがに、スカウトやスナップを狙ってはいなかったものの、高校生の頃の私も「もしかして~なんて~ふふふ」なんて思っていました。
ついつい、「自分は何か特別で違うんじゃないか」なんていう期待と妄想をしてしまうの、ずっとあると思うんですけど、どうですか?
この精神性は、最後まで描かれ続けます。
<2話~4話>
絢が東京のアパレルブランドに就職をし、新卒OL生活をたのしむターンです。
最初、新卒の女の子を水川あさみ氏が演じるのは、さすがに無理があるのではなんて思ってしまいましたが、40まで演じると聞いて納得しました。
まだ芋っぽいところから、垢抜け東京バリキャリまで演じていてさすがです。
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上京時に、東京民からしたら「そんなところ住めないよ」というような有名な場所ばかりで賃貸を探すの、あこがれ上京っこあるあるだな、と思いました。
青山、吉祥寺、などの賃貸見学を経て、「三軒茶屋」に住むことになります。正直、三軒茶屋も新卒で住むには高くありませんか?????と私は思ってしまうのですが、まぁそこはドラマですね。
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三軒茶屋で同じ秋田出身の男性に偶然出会い、彼氏ができた絢は、家で手作り料理を食べたり、街の居酒屋で飲んだり、たこ焼きを一緒に食べたり、幸せな生活をしていました。
しかし、「恵比寿で8時に集合して合コンに繰り出す友達」たちを見ていて、「ハイスぺ彼氏」にあこがれをいただきはじめます。
そこで、合コンで出会った「恵比寿に住むハイスぺ男子」と仲良くなっていき、三軒茶屋から引っ越します。ここで、三軒茶屋の彼はフェードアウト・・・・。
「30までにデートで行けたらいい女」と言われているロブション(恵比寿の超高級レストラン。そんな形容があるの初めて知った。なお、私はいったことはない。自力でいいので人生で1度は行ってみたい)に誕生日に連れていくね、と約束をされ、気分が高揚する絢。
しかし、20代中後半になる絢に、ハイスぺ彼氏は「結婚する気はない。制度に縛られるのは云々」と結婚制度を否定します。絢も納得しますが、当の誕生日は「仕事が忙しくて今日はダメになった」と連絡が来てから音信不通・・・・・・。
共通の友人から、「読者モデルの婚約者がいる」と聞かされ、「私とあの子、あの子を選ぶ決め手は何?」と困惑します。
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この、ハイスぺに憧れる気持ちもわかります。
別に彼氏の年収が高かろうが、大事なのは相性なのについつい「そうだったらいいのにな」と感じてしまうんですよね。きっと、他者に自慢したい・比べて私の方が優れていると思いたいんだと思います。
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<5~6話>
アラサーのターンです。今まで絢は、合コンやハイスぺ彼氏など、男性のお金に助けられて生活を行ってきました。
それが、アラサーになって周囲も落ち着き始め、男性もちやほやしなくなり、上がらない給与に「転職するなら30までに」の定説。自分の生活を維持するために転職をします。なんとグッチ。給与もあがるものの、仕事のレベルが変わり苦悩するシーンもあります。
そこで出会ったのは銀座の呉服屋の亭主。既婚者。高級店に連れて行ってもらい、靴も買ってもらい、高級な生活を堪能する絢。
しかし、33歳の絢の誕生会で、自分がインタビューされた雑誌をもっていくと、友人はみんな「今妊娠中」「母乳期間で」「今2人目」「うちの子が」と、話題は「自分の子供」ばかり。
ここで絢は結婚・子供を目標に婚活を始めます。
結婚をしたいから、というと既婚者は秒で離れていきました笑
今までキャリアを築いてちやほやされてきた絢は、自分が婚活市場で不利な「おしゃれなキャリア女性(30歳以上)」なことに気が付きません。
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わたし!今!まさに!ここ!という気持ちになりました。
「転職するなら30まで」というのに焦る気持ちがありますし、
「今の給料じゃとても生活が」というのを感じて年収を増やしたい気持ちがあります。
また、周りの結婚や出産に「私は・・・・・」という焦りを感じます。
(私の場合、若いOLのときに合コンや男性とのデートに明け暮れていないし不倫男にも捕まっていないので、そこは違いますが、今思うと男性とたくさん高級ご飯をしておくのもアリだったのかもしれません・・・・)
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<7話~10話>
結婚・離婚が描かれます。
年収1000万の、顔は微妙だけど優しくていい人を配偶者にした絢。
タワーマンションに住みますが、旦那はどうも絢に主婦らしさを望んでいる様子で、夫婦生活が噛み合わない。
家に帰ったら食事が待っているような生活を望む旦那と、高級レストランで食事するような生活がしたい絢。
子供のことも、「排卵日を予測したら一発でうまくいったって同僚が」となるべく回数を減らしたい様子の旦那に、だんだん嫌気がさしてくる。
そんな時、恵比寿ハイスぺ彼氏の婚約者の読者モデルと再会をする。
彼女は結婚して彼のNY駐在についていったものの、「私がやりたいことってなんだっけ」と、離婚して自分の夢を叶えることにした。
思うところがあり、離婚はしないもの、別居をしていたところ、旦那から「会社の派遣社員の子との子供ができたから別れてほしい」と連絡が来る。
正式に離婚した絢は、年下イケメンカフェ店員と付き合い始める。彼の、先のことは何も考えてない生き方に、辟易としながら可愛さにやられる日々。
一方、紹介された港区の男性と交流を深めるものの、「俺は結婚するなら親も認める港区コミュニティの中の女性だから結婚はできない。でも別れる必要はない」と宣言される。
年下彼氏も、別の「プレゼントをくれる美女」と交流を深め始め、絢は東京を捨てて秋田に戻る決意をする。
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つ、つらい!!!
そしてやはり年下イケメンが年上に求めるものなんてお金よね、と思う。
もし本気なら、付き合ってるだけじゃなくて再婚希望するだろうし。
<11話>
秋田に帰ってきた絢は、1話での担任の先生に「人に憧れられたいって言ってたけど、夢を叶えたわね」と言われる。
出身校では、誕生日会で絢が出せなかった雑誌のインタビュー記事が切り抜かれ、「あこがれの女性」として紹介されていた。
絢は再び東京に戻ることにする。
三軒茶屋で最初の彼に遭遇する絢。しかし、何かが始まりそうな空気が流れた後、彼に奥さんと子供が駆け寄る。
最終的に、新卒入社の会社で仲良くしていた男友達とパートナーとなり、お休みの日にのんびりデートをする様子で物語は終わる。
その際、ハイスぺらしき夫婦(素敵な旦那とハイブランドの服を着て颯爽と歩く水川あさみ)とすれ違う。
■感想
全体的に「幸せを手に入れたはず」という状況と、「でもあれも欲しい」と欲を出す様子がうまく描かれていると思います。
「もしかしたらああいう風に、私も手に入れられるかも」という気持ちが、いたるところにあります。
絢はきっと、その時その時の「自分にとっての最善」を選んで、つかみ取っています。
それでも、ずっと「もっと何かあったのでは」「これでいいのか」という雰囲気があるんです。
最後、絢は幸せそうでした。でも彼女は、子供はいない、再婚してもまだハイブランドとハイスぺ配偶者にあこがれを隠せない。
「ないものねだり」に際限がない。
立場は違えど、その精神性に似たものを感じて、私も「その時選んだ最善を積み上げたはずが、取り返しのつかないことをうらやむような未来」になるんじゃないかと、怖くなったのです。
きっとみんな「幸せに見えてもそうじゃないところがある」「誰かのことを羨ましいと思っている」と思うのですが、人の感情はわからないので「私だけ」みたいに感じてしまいます。
そんな感じで、「このままでいいのだろうか・・・・・・・・・」と胸に刺さった作品です。
ハッピーエンドなはずなのに。
東京男子図鑑もあるそうなので、次はそちらを見たいです!