※2019年10月24日に投稿したブログを加筆修正したものです。
『愛と哀しみのボレロ』
ラストのボレロシーン
⚠️ネタバレ含みます⚠️
『ボレロ』のシーンは最後に持っていくと提案したのはベジャール……
成長したセルゲイ(ジョルジュ・ドン)の登場シーンで、ドンの輝くばかりのアポロ的なものを観せておいて
最後の最後に、思いっきりディオニソスなドンを………
ドンさんの観せ方をよくわかってる
20世紀バレエ団の男性ダンサー達総動員
しかし
この写真では、ベジャールの左右にいるミシェル・ガスカールとジャン・マリさんは、本番ではどこにいるの?
ついつい、ドンさんばかり観てしまいます
1980年7月30日
寒い寒い日だったそうです
それぞれの立場から見てのles uns と les autresが、チャリティーのためにひとつの場所へ……という設定
撮影場所を使用出来る時間は限られています
ベジャールは
「こんなに寒くては、ドンが踊れない、踊れたとしてもうまく踊れないだろう」
と危惧
そのベジャールの危惧を見事払拭させたジョルジュ・ドン
アンヌと息子も観にきています
正気を失ったアンヌが、隣りにいるのは、何十年間と探し求めた自分の息子だと認識できているのかどうかは不明
観る人の想像に任せているのだと思います
自ずから心に希望を持てる人間かどうか、監督に試されてる気がしますね
最後にちょっとだけアンヌが笑っていたので、認識できたのだと私は思いたい
実の子がいるとは露とも知らず、同じ場にいて指揮をとるカールと
歌っているのは、ジャックの娘サラと、アンヌの孫にあたるパトリック
故郷にてテレビで観ているセルゲイの母タチアナ
会えなくなった我が子の写真を飾っています
ドンさんは『ボレロ』15分を3回踊りました
ジョルジュ・ドンという人は、複数の人達の証言や目撃談からわかるのですが、病気にさえならなかったら、本来人一倍体力のある人だったようです
この映画には、後に大女優となるファニー・アルダンがちょい役で出てたり、シャロン・ストーンが、一瞬だけ出たり
音楽を担当したフランシス・レイも、何気にちょこちょこ出てますし、元ベジャールバレエ団員の娘さんも出ている。
ベジャールも出たら良かったのに
感動……
あぁ、もう、曲をつくったモーリス・ラヴェルにも感謝しちゃう
私は、この瞬間がジョルジュ・ドンのダンサーとしての頂点だったのではないかと思っています
だからといって、ここから下るのではなく、第二章が始まったのだな……と
ドンさんは、これ以降、別な、もっときつい坂を登り始めたのです(きっと)
何はともあれ、お疲れ様~