Krashのブログ

総合評価:B+

固い意志を意味するラージアンカーペンダント。
2003年発表。

ビルウォールレザーの十八番であるオーシャンモチーフで、
今となってはブランドを代表する人気アイテムです。

発売前からファンの間で、
錨(いかり)を題材にしたアイテムはいつか出すだろうと、誰もが思っていたのでは?と思います。

発売当初は375個の限定(シリアルナンバー入り)でしたが、今は通常ラインになったようです。

バチカンにはBクラウンのスタンプが押され、
ゴシックホースシューの様な冠の下にクロスが付いている感じで錨が作られています。

クロスの中央にはスター。
このスター、ピアスやチャームでよく使われているモチーフですね。
元は俳優の伊藤英明さんが「シルバーアクセネクストファイル」というムック本のコラボ企画で生まれたデザインです。


ビルウォールのオーシャンモチーフは、
どのジャンルにも属さない独特な風貌を持っているのですが、
このアンカーに限ってはゴシックの要素が多く入っています。
なので洗練されたデザインかと思うのですが、本来あった、「海を感じる」広大な(大胆な?)作りでは無い様な気がします。

まぁ「海を感じる」っていうのはわかりにくい表現ですけど、
なんというか、僕にとってビルの海関連の作品は、作り手の自然に対する想いとか、不思議な優しさを感じ取れる物が多いんですよね。
フォルムが丸く、豪快なエッジ、ゴツいのに柔らかい、
温かさと力強さの絶妙なバランス。

そんなの知るか!っていう常識人の意見が沢山飛んできそうですけど。


なんかこのアンカーは上で挙げた感覚ではないんです。
カッコ良さげなデザインが優先されてマリブの海があまり見えてこないんです。
今風でカッコいいデザインなんだけどね。



2003年はかなりモチーフのバリエーションが増え、ラグジュアリーなアイテムに力を入れていたので、以前には無かった細かく綺麗なデザインになったのでしょうね。

フィッシュフックのようなゴシック要素の無いアンカーも見てみたいな~って思います。


これだけ洗練されたモチーフなのに個人的に評価が低い一番の理由は、
なぜ裏面を平打ちにしてしまったんだろうか?という点。


これが裏側もちゃんと作り込まれていれば文句無しの最強モチーフになったと思うんですが・・・。
裏を立体で作る事で着け心地が悪くなるとも思えないですし、
多少コストが上がっても立体で作るべきモチーフだったと思います。
薄っぺらいのが勿体ないですね。