Freak On A Bill Wall Leather


総合評価:A+

マリブ海の波、ウェーブリング。

オーシャンモチーフのリングと言えば真っ先に浮かぶのがコレ。
スクロール部分の先端がリングの外側にはみ出る形を取っています。

このリングを見ていると、
無骨なシルバーのはずなのに脳内で勝手に青色が浮かんでくるんですよね。
まぁここまで来ると結構重症です。


ウェーブリングの素晴らしい点は、
水という、ただでさえ抽象的な題材を完全オリジナルで具象化しているデザインでしょう。

しかも凄い事に、
波を構成しているのは、一筆で描かれている同じ形の曲線4つなんです。

この曲線、ひとつだと決して「波」ではないんですけど、反転させて規則的に4つ並べると
見事に「波」になってしまうんです。

この規則制のある配置にしてる事で
逆さから見ても、横から見ても左右対象に見えます。


ー 波という形のない物を、最小限にシンプルな曲線のみでシンメトリーにデザインする ー

ここにビルウォールレザーの手腕の真髄が伺える気がします。


デザインのみでなく、着け心地も素晴らしいです。
それは波のデザインをあえて半周にしかしなかったという事。

フィット感や実用性に拘りを見せるビルらしい、最高のリングだと思います。


カスタムで燻しのスペースに最大5個のルビーやサファイア等、貴石をセットする事もできます。
値は張りますけど、波と宝石、いい組み合わせだと思います。

Krashのブログ

総合評価:B+

固い意志を意味するラージアンカーペンダント。
2003年発表。

ビルウォールレザーの十八番であるオーシャンモチーフで、
今となってはブランドを代表する人気アイテムです。

発売前からファンの間で、
錨(いかり)を題材にしたアイテムはいつか出すだろうと、誰もが思っていたのでは?と思います。

発売当初は375個の限定(シリアルナンバー入り)でしたが、今は通常ラインになったようです。

バチカンにはBクラウンのスタンプが押され、
ゴシックホースシューの様な冠の下にクロスが付いている感じで錨が作られています。

クロスの中央にはスター。
このスター、ピアスやチャームでよく使われているモチーフですね。
元は俳優の伊藤英明さんが「シルバーアクセネクストファイル」というムック本のコラボ企画で生まれたデザインです。


ビルウォールのオーシャンモチーフは、
どのジャンルにも属さない独特な風貌を持っているのですが、
このアンカーに限ってはゴシックの要素が多く入っています。
なので洗練されたデザインかと思うのですが、本来あった、「海を感じる」広大な(大胆な?)作りでは無い様な気がします。

まぁ「海を感じる」っていうのはわかりにくい表現ですけど、
なんというか、僕にとってビルの海関連の作品は、作り手の自然に対する想いとか、不思議な優しさを感じ取れる物が多いんですよね。
フォルムが丸く、豪快なエッジ、ゴツいのに柔らかい、
温かさと力強さの絶妙なバランス。

そんなの知るか!っていう常識人の意見が沢山飛んできそうですけど。


なんかこのアンカーは上で挙げた感覚ではないんです。
カッコ良さげなデザインが優先されてマリブの海があまり見えてこないんです。
今風でカッコいいデザインなんだけどね。



2003年はかなりモチーフのバリエーションが増え、ラグジュアリーなアイテムに力を入れていたので、以前には無かった細かく綺麗なデザインになったのでしょうね。

フィッシュフックのようなゴシック要素の無いアンカーも見てみたいな~って思います。


これだけ洗練されたモチーフなのに個人的に評価が低い一番の理由は、
なぜ裏面を平打ちにしてしまったんだろうか?という点。


これが裏側もちゃんと作り込まれていれば文句無しの最強モチーフになったと思うんですが・・・。
裏を立体で作る事で着け心地が悪くなるとも思えないですし、
多少コストが上がっても立体で作るべきモチーフだったと思います。
薄っぺらいのが勿体ないですね。