NO MAN'S LAND

Cast.

Rene Bitorajac, Filip Sovagovic, Georges Siatidis

Rating

　ボスニア紛争の最前線であり、ボスニアとセルビアの中間地帯である[ノーマンズ・ランド]に取り残された、それぞれの兵士、合わせて３人。一人の下には地雷があり、身動きが取れない。争う場面でもない。緊迫した中、時々交わされる自然な会話。憎しみを表に出しながら、なぜ争っているのか分からなることもある両者。国連軍が救助に乗り出すが…。　　戦争に対する批判を、ユーモアを織り交ぜながらも、痛烈に批判した社会派戦争ドラマ。

注)　ここからはネタバレする内容なので、映画を観ようと思った方は後で読んだほうがいいかも。

　塹壕に取り残された３人。ボスニアに限らず、現在の世界情勢が、この３人によって色濃く表されていたように思う。　メディアは反戦面してニュースに飛びつき傍観している。世界(世論)を動かすという良い面もあるだろうが、少しでもリアルタイムで伝えようとする彼らの行動に、共感はできない。邪魔であり、「反戦」という言葉だけが独り歩きしてしまっている。　そのうちに、停戦と抗争を繰り返していた２人は共に倒れ、国連軍は手を出せないまま、いや、手を出すのも面倒そうに、現場を去ってしまう。　実に不愉快で哀しい世界。

　ハリウッド的な戦争映画では無いので、銃撃戦などもほとんどありませんし、多くの人に観ていただきたいです。