根拠発掘屋
「罪と罰。」
店を始めた頃。
『罪と罰』を読みました。
難しい本でした。
読むだけでも、
かなり時間がかかりました。
主人公の、
ラスコーリニコフ。
酒に溺れる、
元役人のマルメラードフ。
当時の俺は、
二人を見て、
「クズだな。」
と思いました。
そして、
「俺の方が、ましだ。」
とも思いました。
ソーニャは、
当時、
身近にいた、
ホストに貢ぐ風俗嬢と、
重ねていました。
最後の方は、
流し読みでした。
それでも、
読み終えた俺は、
少し満足していました。
「罪と罰を読んだ。」
難しい本を読んだ自分が、
少しかっこよく思えたのです。
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根拠発掘。
当時の【俺】は、
登場人物を、
自分の知っている人に重ね、
「クズだな。」
と評価していました。
そして、
自分と比べて、
「俺の方が、ましだ。」
と思っていました。
最後の方は、
流し読みだったのに。
それでも、
不思議なことに、
『罪と罰』は、
何十年たっても、
私の中に残っています。
今になって、
物語を振り返ってみると、
当時は気づかなかったところで、
自分と重なる部分もあります。
影響されたのか。
もともと、
そういうものを、
自分の中に持っていたから、
引っかかったのか。
それは、
分かりません。
ただ、
一つだけ、
はっきり覚えています。
あの頃の【俺】は、
登場人物を見ながら、
「俺の方が、ましだ。」
と思っていました。
続く。
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