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ヴァルプルギスの後悔〈Fire3.〉 (電撃文庫)/アスキーメディアワークス
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さて、Part2です。

正樹は織機綺にとっての自分の存在、あるいは霧間凪についてアルケーに散々問われる。正樹の思っている織機綺がリキ・ティキ・タビの力を得た今、合成人間「カミール」の部分が勝っていて、むしろ人間の「織機綺」はいないんじゃないか?もはや恋人の正樹のことなんかなにもおもってないんじゃないかとか。あんまり死体蹴りしてやるなよって思うんですけどね。いやいや、大丈夫、織機ちゃんがそんな簡単に心がなくなる筈ないじゃないか!


パールもパールでさ……


「いいじゃない、別に。彼女に憎まれるならあなたも彼女を憎めばいいのよ。そういうものもあるのよ。互いを深く憎しみ合っているが故に深く結ばれている恋人同士ってものが。それもまた愛よ」(118)


ってパールさん過去になんかあったんすか?どうしたの?急に…。


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織機綺も段々と凶暴化していくというか、確かに力を手に入れたせいか自分にも対抗手段ができたという感覚があるんでしょう。マキシムとの面談の際にも感情爆発させるなんて今までの弱々しい織機綺からは想像も出来ません。ただひたすらに霧間凪に尽くそうと言う心がそうさせているのか。


そして、釘斗博士はというとなんとカレイド・スコープと出会う。「副王」ってカレイドに対して言っちゃうんだけど…。「酸素~」とかでは完璧に苦労人の執事なんだよな…。「副王」ってなんなんだろう。この時点ではまだカッコつけているしなぁ。


釘斗博士は暴走しかけた綺の扱いも上手く「今の状況を見たら谷口正樹はどう思うか?」みたいなことを言って、綺を落ちつかせていたりして、何気に人の扱い方が上手いんだよなぁ。偏屈な癖して。


しかし、綺もその時になって「自分が正樹のことを一瞬でも考えなかった」ということに驚愕するのでした。うなだれる綺をみつつカレイドは「こいつ、リキ・ティキ・タビの完成型になるかも…。そしたら魔女戦争始まるんじゃ…」と内心かなりひやひやしている。副王ェ・・・。


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ビートたちは、世界樹の杭を解析するためにある女性のもとを訪れる。

それは、「フェイ・リスキィ」という研究員である。もうさ「リスキィ」と聞いて思い出すのは「冥王と獣のダンス」ですよねぇ。あの世界はブギーポップ世界よりもはるか未来の世界。その中にリスキィ兄妹というのがいましたが、つまり、そのリスキィ兄妹と関係があると言う事は明らかなわけでして…。


杭は調べてみると凪の身体と連動して見るようで、杭が傷つけば凪の身体も傷つくと言う事。つまり精神だけでなく、身体的にも杭と凪は同化していると言う事なんです。


そして、杭を調査していたフェイの意識もまたマキシムと同様とある場所へと飛ばされる。それは「枢機王」が支配する未来の世界の光景が広がっていた。ヴァルプルギスは彼女に一つの可能性を提示したのです。彼女の名前「リスキィ」がもつ意味。それは「奇蹟使い」というもの。どうも話しぶりを聞くには「冥王~」世界というのはあり得るかもしれない一つの未来で必ずしも「冥王」世界がブギーポップ世界の未来というわけではないみたいですね。


それでも、ヴァルプは「未来」を操作することで本来まだ生まれるはずのない「奇蹟使い」を作り出し、混沌を作りだそうとするのです。それは「魔女」のもつ「魔導」の力に近いものらしい。それは「世界を滅ぼしかねない力」。それをフェイに与えようという。そして、自然、フェイもそれがなにかを理解し、ヴァルプと同じくらい邪悪な笑みを浮かべるのでした…。


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アルケーもこのタイミングでヴァルプを倒すことを決めます。タイミング敵には今しかないと言う事でしょう。また正樹も「織機綺を助けたい」という思いが本当ならば、それが鍵になるとして、ジィド達に正樹を織機綺に接触させるように命じます。


霧間凪の特性を知ったアルケーは夢の中で霧間凪に接触を図る。ここで心をぽっきり折る作戦だったのでしょうが、凪の方が一枚上手で「ヴァルプ」の演技をするんですね。それを看破できず、凪の誘いに乗ってしまうのでした。ただ、凪もこの時予想できていなかったのはヴァルプが「未来」から「奇蹟使い」を呼び寄せていたと言う事でしょうね。


そして、織機綺に異変が訪れる。それは「謎の声」がある場所へ綺を導こうとしていると言う事でした。綺は導かれるままに、スクーターに跨り、一路その場所を目指す。


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こうして、遂に訳者は揃う。凪、アルケー、綺、正樹、フェイ、ヴァルプ。魔女戦争の鍵を握る彼らが一同に揃う。


実を言うと、綺に聴こえていた謎の声。これはフェイの奇蹟使いとしての能力が目覚めかけたことによって起こっていたみたいで、アルケーとの戦いでついにその能力「おせっかい」が発動します。


能力としてはエネルギーや物を別の場所に転移させる能力みたいですね。MPLSとかに比べ、より能力が明確な感じになっている感じがするし、若干規模がでかそう、成長すれば。さらにフェイはさらに緊急コールを使い、マキシム・Gを召喚する!


フェイの能力はどちらかというとサポート系なので、攻撃力の強いマキシムと組めば確かにその能力を如何なく発揮することが可能でしょうな。


フェイ&マキシムVSアルケーの戦いが幕を開ける。もうね、能力バトルが凄い。しかし、能力もった当初っていうのはどうしても調子乗ってしまうわけで、アルケーの能力を履き違えていたっていうのがこの戦いの勝敗を決しました。アルケーの能力。それは「凍結」ではなく「凝縮」。それに気づかずにフェイとマキシムはアルケーに敗北する。


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その間に、ビートと朝子、そして凪はなんとかその戦いの場から脱出を図るのですが、そこに織機綺が現れてしまう。朝子から凪と綺を接触させてはならないと聞いていたビートはなんとかしようと説得を試みるのですが、凪の様子がおかしくなり…。


さらに、織機綺も自分の意志に反して凪の首に自らの手をかけてしまう。織機綺もまた運命に操られたコマでしかなかったという事なんですね。霧間凪を思えば思うほど、その意志がリキ・ティキの能力で反撥し、凪の意識を奥へ奥へと押し込んでしまう。結果、それはヴァルプルギスを表在化させてしまう事であり…。


ヴァルプにとっては、この状況を作り上げることこそが狙いであり、この状況になれば「アルケスティス」が突っ込んでくると踏んでいたのです。そう、ヴァルプの狙いは、単にアルケーを呼び出すだけではなく、決定的な一打を放つ為の状況を作り出す為なのでした…。



ちょっと、長くなりましたが、今回はここまで。


23時以降に最後の「Part3」をあげます。