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「封印漫画大全」 坂茂樹 著 出版社:三才ブックス
ISBN:9784861990670 値段:1300円(税別)
- 封印漫画大全/三才ブックス
- ¥1,365
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今回は、封印漫画大全を紹介します。漫画なんかでは「そう言えば、本誌では掲載されていたのに、単行本ではのってない」なんていうのがよくありますね。もしくは本誌と微妙に違うコマが単行本になっているということも。この「封印漫画大全」はそれらをすべて網羅しているというわけではありませんが、その当時「お蔵入り」になってしまったエピソード、漫画を紹介しています。勿論、今ではほとんどが復刊や全集入りなどをした事で読む事が可能なものもありますが、今でも不可能なものも多く存在しています。
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何かを表現するという事は非常に難しいもので、「面白い」と思って書いた事、親切心だという事で書いた何気ない注釈が後々になって波紋を呼び、「連載打ち切り」なんていうことがざらにあるというのが良く分かります。また、当時の時流にそぐわないからという理由で打ち切られたなんて言うものもあります。それを読むと、「え?そんな理由で??」なんていうのも多々あります。
今では、「トリコ」で人気のしまぶーも「世紀末リーダー伝たけし」はとある理由で一時期書店から姿を消した時期がありました。今では輝かしい人気を再び手に入れたしまぶーでしたが、「たけし」連載時に事件を起こされた時は「もう二度とたけしを、いやしまぶーの作品をみることはないんだろうな」と悲観したものです。
今では木多康昭先生にその当時のネタを弄られても「OK」サインを出すほどで木多先生のギリギリの攻撃すらも黙認しています。「喧嘩商売」においては
「やっぱり身長の小さい子はエロいんだ、流石しまぶー、ありがとーー」
「なんだい、木多さん」
「いえいえ、貴方は木多先生の友人のS先生なんですからそこは反応しちゃ駄目です」
とかいうネタを容認する位ですからね。(ちなみに最初の一回だけしか許可を取ってないというのは後々になって知ったんですけど)
そんな木多先生もネタかどうかわかりませんが「名誉棄損」でどうのこうのになったとか。実際「代表人」自体は「お蔵入り」漫画、いやお蔵入りのシーンが多かったんです(某A先生ネタに、某犬の自画像のジャンプ漫画家さんを弄ったシーンはページ差し替えと削除されています)。
そんなA先生の超長寿漫画もあれだけ長いのですから封印されたエピソードがあるのは御存じでしょうか。それもまた当時はノリで書いたのでしょうが、単行本化する際はお蔵入りというそういうものもあったみたいです。
驚いたのは、「ちはやふる」の作者も「ちはやふる」前の作品でトレース疑惑があってその作品が打ち切りになっているというのは驚きました。「ちはやふる」はアニメkが二度もされる人気漫画。「ちはやふる」前の作品も人気があったという事ですから、決してトレースしたから人気があったとかいうのではないんです。ちゃんとした実力はありながらも、そういう疑惑を持たれてしまったが故に打ち切らなければならなかったというね…。
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面白い漫画、注目されるべき漫画だからこそ、ファンもつくし、同時に「何かしら、粗を見つけねば気が済まない」という人もいるんでしょうな。しかし、「粗を見つけなければ気が済まない」という人がいたからこそ、見つける事が出来たトレースオンパレード作品もあったわけで…。何ともここら辺の評価というのは難しいですな。
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何かと子供が事件を起こすとやり玉に挙げられる漫画。それだけ、子供の中に広く浸透しているということですし、同時に「大人」も楽しめる媒体として成長を続けているという証明でもあります。ですから、有識者と称する「大人」たちの独断や偏見による「漫画狩り」なんていうものも行われる。時には「表現の自由」が規制されるような事態に陥ることもある。それが行き過ぎもよくないですが、逆に表現する側が行き過ぎてしまう場合もある。こうなってくると一体どっちが悪いの?ってことになる。
どこまでを「表現の自由」とするか、どこからを「表現として規制」するのか。最近も「児童ポルノ法」「有害図書」云々の話題がありました。さらに、「性器」をきちんとばかしてなかったとして某漫画雑誌が色々とやられました。
今現在も、「表現」に対する表現者と受け手、規制する側、彼ら三つ巴(なのかは不明ですが)の戦いはまだまだ終わらない。
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次回は、「禁涙境事件」
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