アンブレラ・アカデミー ~組曲「黙示録」~ (ShoPro books)/小学館集英社プロダクション
¥2,310
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今回は、小プロから邦訳された「アンブレラ・アカデミー」の感想を。


MARVEL、DC以外にも何かしら読んでおきたいなぁと思い、手に取ったのがこの本です。

原作者は、「マイ・ケミカル・ロマンス」のボーカルであるジェラルド・ウェイが行っている。


マイケミは一時期日本でもPVで有名になったバンドですね。今でも根強い人気があると思います(僕は彼らのCDは買わなかったが、サークルの友人は買ってたな)。


真正面から、ヒーローの活躍を描くのではなく、結成から数十年後、主人公らが30代になりチームも解散した辺りから物語がスタートしているのが斬新というか面白い試みだなと思う。なんとなく「ウォッチメン」とかみたいな雰囲気に似ている。


ここからどういう風に物語が進んでいくのかな~とか思っていたら、ドンドン物語が展開していき、一気に怒涛の展開が我々を物語の世界へと引きずりこんでいく事になる。読み終わって第一声が「面白かった!」と満足できる内容だった。


正直、表現者ではあるけれども、音楽と脚本というのはまた土俵が違うわけだから、いくら音楽で成功を収めていたとしても、ストーリーテリングで驚かせることなんて度台無理だろうなんてこちらは思っていた。しかし、読んでいくと本当に綿密な計算のもとにこの作品は描かれているんだろうなぁ~というのが見え隠れしているわけです。正直、やられたなぁ~と思いました。


ガチでアメコミを描こうとしている。そして、ガチで王道モノだけどやや邪道を含ませて新しい何かを生み出そうという気持ちが凄い感じられて読んでるこっちも「どうなるの?どうなるの?」っていうのが楽しみでならないわけです。キャラ一人一人の内面を描くのも上手いし、これは久々に良いのを読んでしまったなぁ~と思える名作でした。


この「組曲「黙示録」」というのが一番大きなストーリーなのだろうけれど、まだまだ空白の部分もあるわけだから、そこら辺を描いたエピソードはないのかなぁ~と思ってしまった。正直言って作品としてはまだまだ可能性が凄くあるモノだから続編とかあれば描いてもらいたいし、邦訳も進めてもらいたいものだ。


DC、MARVEL以外の作品でも良いものは良いというのが証明されたわけで、益々海外のコミックにハマってしまいそうである。


以上。