デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス (ShoPro Books)/小学館集英社プロダクション
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今月二作目のアメコミは「デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス」です。いやぁ、コミカルなデッドプールが最高に面白かったです。E3のゲーム予告でも異彩を放っていた彼。マブカプ3に初めて参戦ながらもダンテと死闘を繰り広げているOP映像、そして本編を見るとあまりのハチャメチャっぷり(「カプコンさん、お待ちしてまーす」とかっていう可愛いセリフや、一人一人のキャラに関してちゃんとメッセージをつけている)とのギャップにやられた人も多いんじゃないかなあと。このデップーちゃんやりおります。


今回もかなりコミカルだけれども、自分のヒーリングファクターを生かした独自の戦い方にビックリします。

彼は「傭兵」ですからね。戦い方は結構普段読んでいるマーベルものよりも残酷なんですけどね。苦手な人はヒャアとなるかも。ましてやカラーだからね。


内容としては、もう日本デビュー作だから、もうメーター振り切りすぎてて驚きます。恐竜に、ゾンビに、平行世界に何でもアリ。ヴィレッジブックスから出ている「マーベルゾンビーズ」世界に行って、ゾンビと平然と戦う辺りは、彼のくぐりぬけてきた場数を思い知らされますね。ヒーローだけれども、決してキャップとかとは相いれないそういう存在かな、彼は。でもやる時はやるし、スパイディーのファンを公言しているだけあって、スパイディーとも親交あるデップー。今回は「第4の壁」突破はほとんどなくてそれを宣伝文句にしていただけにちょっと残念。


さて、本作のシーンをいくつか抜粋。

神太郎のRPG+α-デッドプール

顔文字を使ってしまう(しかも顔文字が日本ver,)。困ってしまったり、閃いたり。デップーちゃんの可愛い一面ですね。頭の中に複数の自分がいて吹き出しで自分に突っ込んでしまう。ちなみにここでは漫画キャラだから「毒ガス」なんて平気だと言っちゃえよ。と一人が言いつつも、「一緒に行くって言ってんだから黙ってろよ」とさらにもう一人が突っ込む。そうして、「ひらめいた(*゚∀゚*)」となるわけです。こんなコミカルな訳にさせてもらえるほど優遇されているデップーちゃんさすがです。

神太郎のRPG+α-デッドプール②


さらに顔文字。なかなかお気に召したご様子。「変な顔文字使うな」と言われてますけどね・・・。


神太郎のRPG+α-デッドプール③


ゾンビバース(マーベルゾンビーズ世界)で出会ったベロニカ。彼女は物好きでデップーちゃんと一夜を共にしてしまう訳ですが、その愛しの彼女を目にした瞬間、デッドプールの妄想大爆発。それが2コマ目です。めちゃくちゃ美人に描かれてます。いやぁ、なかなかこういうのもほかのマーベル邦訳作品ではないから興味深く読ませてもらいました。さて、この誘惑のその後はご自身の目でお確かめ下さい。

神太郎のRPG+α-デッドプール④


神太郎のRPG+α-デッドプール⑤


これはデッドプールのやるときは殺るという典型例ですね。自分の意見が合わない奴は一発で脳天吹き飛ばす。あからさまに頭を吹っ飛ばすシーンがあるのもこのコミックスならでは。これ以上に手をぶった切ったり、一刀両断も描かれていたりもうヴァイオレンス成分が強いです。


しかし、ジャー・ジャー・ビンクスの人気のなさはなんなんだろうか・・・。デッドプールの中ではもうそれだけで新三部作は認められないし、平気で人の頭を吹っ飛ばすだけの理由になってしまうんだもんな。この頭吹き飛ばされた人の死因が「ジャー・ジャー・ビンクス」って・・・。


そして一番オススメがこれ。

神太郎のRPG+α-デッドプール⑥


このお話の中でもひとつの見どころが、「平行世界」なのですが、これぜんぶがその「平行世界」のデッドプールたち。ある世界では、軍曹、別の世界ではガンマン・・・と無数の中にある世界のデッドプールの選ばれた5人によるショット。これが扉絵というのはなかなか壮観ですし、なにより絵柄がスタイリッシュ。


ちなみにこれは「トレインスポッティング」という名作映画のポスターをパロっています。しかし、ここまで完成度が高いとパロディされた方も嬉しいと思うんです。デッドプールの扉絵はこれらのように何かしらの絵をパロっているものがほとんど。そのどれもが完成度が高く、うっとりしてしまうほどです。ちなみにこの中から一人死亡者が出てしまうのですがいったい誰でしょうか?え?頭しかない奴はどうなんだって?これは「ゾンビ化」したデッドプールなのでノーカウントで。ちなみに犯人は「デッドプール」です。


自分を殺すあたりすごいよ・・・。


さて、本書はこのあと「デッドプール・コァ」というものに続いていき、そこで今回出てきた平行世界のデッドプールたちと共に宇宙の危機に立ち向かうストーリーがあるみたいなのですが・・・「邦訳予定はない」そうで。一応「てへぺろ♡」されて終わっています。


いや、出してください。

「勘弁してよ」というデッドプールの嘆きの後が気になるじゃないっすかぁ~~。この物語も「グリーンランタン・コァ」というものをパロっているらしい。う~ん、DCをパロディする辺り、もうデッドプール怖いものなしだなぁともおもう。いや、なんかすべてが許される男ですね。


と、そんなデッドプールの活躍、これ一冊だけかと思いきや、20日にはヴィレッジブックスさんの方で「デッドプール/パニッシャー・キルズ・マーベルユニバース」というもうなんだか見るからに問題作な感じの作品が出版されるそう。

独立した内容で数あるうちの平行世界のうちのひとつで、ある事実に気付いたデッドプールが、復讐に燃えたパニッシャーがマーベルユニバース、つまりアイアンマンやキャップを殺すというとんでもない内容。これは若干シリアス路線でコミカル要素は薄眼かな?


デッドプールに至ってはもはや今作だけでも「なんでもあり」な感じでしたからこういうシリアス路線もありっちゃあり。怖いもの見たさで読んでみたいですけど…。どうしようかなぁ……。


さて、実は今月はもう一作、買っていて明日はそれを紹介します。レーベルは初めての「ダークホース」というところからでた作品。「アンブレラ・アカデミー」です。


それでは、また次回。