Guilty rabbit‘story

Guilty rabbit‘story

兎の書く物語です(´・ω・`)
自己満でやってます。

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「じゃあまずはお前の部屋!」
「あ、はい」
「あー全然タメ口でいいから。俺のこと呼ぶのも麗羽でいいから。こう見えても俺、ピッチピチの17歳なんだぜ」
「え!?僕と1つしか違わない!」
「だろ?ここの奴ら全員クソガキしかいねえっての」
確かに麗羽は喋り方や動作、表情からはあどけなさや子供っぽい雰囲気を漂わせていた。
むしろ雛咲なんかよりずっと精神年齢は低いのかもしれない。
ただ見た目はとても長身できりっとした整っている男前の顔立ち。黙っていればいい意味で20歳前半に見えてもおかしくない。「大人っぽい」そのすべては彼の性格が打ち消しているような感じだった。
そんな会話をしながら幅が広く品の良さげなじゅうたんの敷かれた廊下を二人で歩く。
「ここが雛咲の部屋、ちなみにこの隣は俺の部屋。」
着いたその部屋はロイヤルホワイトの上品なドアの目の前だった。
となりに全く同じドアが並んでいてそれ以外は何も部屋のようなものは無く先ほど歩いてきた短い廊下だけが広がっている。
ちなみにその先はロビーがあってそこからいろんな部屋に通じるような設計になっている。
「開けてごらん?」
麗羽に言われ金色のドアノブを手に取る。
無音で開いたドアの先には16畳くらいにあたるだろうか?広い部屋は一つ。余計なものは何もなくただ広がっていた。
ドアを開けた左右にはトイレとバスルームが一体化した個室もあったがそれ以外に小部屋のようなものは何もなかった。
「広い・・・」
「そうか?言っとくけど、獅姫だとか俺らよりちょっとお偉いさんはこんなもんじゃねえぞ。入ったことはねえが話によればこの部屋の数倍広い部屋らしいぜ。別に広けりゃいいってもんでもねえし生活に支障はないから俺はこれで十分だけど」
「十分過ぎるよ」
「俺は隣の部屋だしなんかあったら俺のところ来ていいぜ。暇してるならチェスの相手とか出来るからなっ!」
「ありがとう」
雛咲は微笑むと麗羽は少し驚いたような顔を見せた。
「お前の笑ってるところ初めてみたかも。」
「あ、本当?別にそんなの意識したことなかったな」
「うん、雛咲ってあんまり感情が表情に出ないなって思ってたからちょっと安心した」
「僕はそんな麗羽が思ってるほど気難しい人間なんかじゃないよ」
「だよな、ここにいる奴みんな性格ひん曲がってるからさ、やっと普通の奴に出会えたって感じだぜ、ってことで仲良くしような、雛咲!」
「うん」
麗羽が隊員のみんなをボロクソに言うので少し苦笑しながら答えた。
そのまま雛咲の部屋にはいいると二人の会話は続いた。