あんまり気が乗らなかった入院生活も慣れてしまえば案外苦ではなかった。
むしろ色擬荘にいたほうがいろいろと大変だったかもしれない。
入院してから毎日のように緑と青緑は手をつなぎ緋色の綺麗な花を持って病室へ来た。
俺の最近の楽しみはせーがする話
「今日学校でね、」
なんて笑顔で話してくれる。
そのたびにその笑顔が愛おしくなって泣きそうになるのをこらえてた。
咳き込むと血がでるがそれも手で必死に隠した。
「また来るね」
それだけでいい、今の俺には幸せすぎた。
三日目の夜、紫が来た。
「この前は悪かった....混乱してて...」
「ええよ...、ありがとな。」
紫は俺の目をじっと見てまたうつむく。
「本当に...せりには言わねぇの?」
「....」
「緑に全部背負わせんのか?」
「...あの子は強い...けど...せーはまだ...」
するとうつむいていた紫がキッと睨んできた。
「あんたが知らないだけだ。」
「....ごめん...でもせーには言う気はない...」
気を落ち着かせようと紫は深呼吸した。
「そうかい、わかった。俺はもうあんたに口出ししないよ。」
「...ごめん。」
「じゃあ、また来るから。」
そう言い残すと紫は足早に病室をあとにした。
